民主党:菅降ろし活発化 鳩山前首相も公然と首相を批判

2011年4月26日 20時55分 更新:4月27日 0時52分

 民主党内で26日、小沢一郎元代表のグループら非主流派が菅直人首相の退陣要求を本格化した。統一地方選敗北の責任を問う両院議員総会の開催を求める署名集めを開始。国会内で開いた勉強会「震災に対応できる連立政権に向けた総調和の会」では、鳩山由紀夫前首相も公然と首相を批判した。ただ、東日本大震災の対応が問われる中、与党内の内輪もめは世論の批判を招きかねず、会合に集まったのは60人余りにとどまった。

 「ポストを求め過ぎ、自らの仲間だけで行動し、国民の声が見えなくなっている」。鳩山氏は勉強会で「脱小沢」路線にこだわる首相の政治手法を批判した。鳩山氏は震災後、公の場では首相への直接的な批判を控えてきたが、統一地方選の民主敗北などを受け、一歩、踏み込んだ。

 民主党の山岡賢次副代表は26日、「総調和の会」を代表して、岡田克也幹事長に両院議員総会開催を申し入れた。岡田氏は「党内政局のようなことをやると党の立場を弱めるのでやめてもらいたい」と不快感を表明した。

 ただ、26日の勉強会の参加者は小沢系の若手を中心に60人余りにとどまった。両院議員総会の開催には所属議員409人(党員資格停止の2人は除く)のうち3分の1にあたる137人の署名が必要。内閣不信任決議案の可決には民主党衆院議員73人以上の造反が必要で、小沢グループだけでは倒閣にほど遠い。

 このため、勉強会の案内文には、「公明党との連携を軸」と明記され、野党側に連携を呼び掛けた。だが、菅政権への対立姿勢を強める野党側も「政治とカネ」の問題を抱える元代表側からの秋波はありがた迷惑。公明党の漆原良夫国対委員長は26日の自民党との協議で「勝手に名前を使われた」と説明した。

 民主党執行部は仮に所属議員の3分の1以上の署名が集まり、両院議員総会を開かざるを得なくなった場合でも、開催時期を引き延ばす構え。5月21日に予定している全国幹事長会議後に先送りするする方向で検討している。【野口武則】

◆「震災に対応できる連立政権に向けた総調和の会」の出席者◆

(順不同、敬称略)

 ●衆院<当選1回>平山泰朗(東京13区)中後淳(千葉12区)萩原仁(大阪2区)黒田雄(千葉2区)石津政雄(茨城2区)石森久嗣(栃木1区)村上史好(大阪6区)大谷啓(大阪15区)加藤学(長野5区)瑞慶覧長敏(沖縄4区)長尾敬(大阪14区)奥野総一郎(千葉9区)杉本和巳(愛知10区)福島伸享(茨城1区)大西健介(愛知13区)玉城デニー(沖縄3区)山岡達丸(比例北海道)山口和之(比例東北)高松和夫(同)菊池長右エ門(同)三宅雪子(比例北関東)高野守(同)石井章(同)川口浩(同)相原史乃(比例南関東)水野智彦(同)金子健一(同)川島智太郎(比例東京)橋本勉(比例東海)三輪信昭(同)大山昌宏(同)小林正枝(同)笠原多見子(同)樋口俊一(比例近畿)渡辺義彦(同)高橋英行(比例四国)皆吉稲生(比例九州)

 <当選2回>橋本清仁(宮城3区)福田昭夫(栃木2区)辻恵(大阪17区)古賀敬章(福岡4区)岡島一正(千葉3区)階猛(岩手1区)渡辺浩一郎(比例東京)

 <当選3回>松木謙公(北海道12区)樋高剛(神奈川18区)神風英男(埼玉4区)奥村展三(滋賀4区)小泉俊明(茨城3区)小宮山泰子(埼玉7区)中塚一宏(神奈川12区)松宮勲(比例北陸信越)

 <当選4回>松野頼久(熊本1区)

 <当選5回>原口一博(佐賀1区)山岡賢次(栃木4区)山田正彦(長崎3区)小林興起(比例東京)

 <当選6回>田中真紀子(新潟5区)

 <当選7回>小平忠正(北海道10区)

 <当選8回>鳩山由紀夫(北海道9区)

 ●参院<当選1回>川上義博(鳥取)一川保夫(石川)

 <当選2回>森ゆうこ(新潟)

 <当選3回>田中直紀(新潟)

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