2011年4月26日 20時48分 更新:4月26日 23時19分
ソニーは26日、「タブレット」端末と呼ばれる多機能携帯端末を今秋から国内外で順次発売すると発表した。タブレット端末は東芝も6月から国内で発売する予定で、昨年発売されタブレット人気に火をつけた米アップルの「iPad(アイパッド)」を追い上げようと、国内各社の端末がほぼ出そろった。ただ、アップルが圧倒的な強さを誇るうえ、韓国サムスン電子や米モトローラなど海外大手も強化しており、独自色をどこまでアピールできるかがシェア拡大のカギを握りそうだ。
「デザインや操作性にこだわったソニーらしい製品。出遅れたとは思っていない」。26日の発表会でソニーの鈴木国正執行役員はこう強調した。
ソニーの端末は、9.4インチの液晶1画面モデル(S1=仮称)と、5.5インチの液晶2画面を搭載したモデル(S2=仮称)の2種類。S1は大きな画面で見やすく、S2は折り畳み式で背広などのポケットに入る。どちらも指で画面を触って操作するタッチパネル式で、ソニー独自の音楽や電子書籍配信サービスに対応。ゲーム機「プレイステーション」の旧作ソフトも楽しめる。価格などは未定。
東芝も20日、欧州に続いて6月に国内でもタブレット端末を発売すると発表した。書籍配信サービスを導入し、端末で受信した書籍や動画などは液晶テレビ「レグザ」で視聴可能なことなどがセールスポイント。パナソニックも今年中に北米などでタブレット端末「ビエラ・タブレット」を発売する予定だ(価格など詳細は未定)。
ただ、タブレット端末市場でアイパッドのシェアは圧倒的。米調査会社ガートナーによると、タブレット端末の世界販売台数は10年の1760万台から11年には7000万台に急拡大するが、うちアップルのシェアが69%に達する見込みだ。
一方、アップル以外のほとんどのメーカーが、基本ソフト(OS)に、無償で使え、ソフト配信サービスも充実している米グーグルの「アンドロイド」を搭載。26日のソニーの発表会ではグーグルのアンディ・ルービン上級副社長が「新端末はソニーらしいユニークなもの。発売されれば買いたい」と強調した。だが、サムスンやモトローラなどがすでにアンドロイド搭載のタブレット端末を発売しており、アンドロイド勢でいかに存在感を発揮するかが問われる。
調査会社BCNの森英二アナリストは「アップル以外のメーカーは、価格競争力やブランド力の勝負になる。ソニーは独自の音楽やゲームなどの強みをいかに消費者にアピールするかが課題」と指摘する。【弘田恭子】