2011年4月26日 12時38分 更新:4月26日 14時23分
ライブドア(LD)を巡る粉飾決算事件で、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)に問われた元社長、堀江貴文被告(38)に対し、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は25日付で、被告側の上告を棄却する決定を出した。懲役2年6月の実刑とした1、2審判決が確定する。元社長は全面無罪を主張していたが、小法廷は「上告理由に当たらない」と述べて退けた。検察当局は実刑が正式に確定した後、収監手続きに入る。
元社長は決定文が届いた翌日から3日以内に異議申し立てをすることができるが、結論が見直される可能性は極めて低い。申し立てをしなかったり、申し立てが棄却された場合は実刑が正式に確定する。有罪確定までの勾留日数のうち40日が刑期から差し引かれるため、実際の刑期は2年5カ月程度になるとみられる。
1、2審判決によると、堀江元社長は他のLD幹部らと共謀、04年9月期連結決算で、「資本」に計上すべき自社株売却益約37億6700万円を、ファンドを通じて同社の「売り上げ」に計上。さらに、後に子会社となる2社への架空売り上げ15億8000万円も計上し、総額約53億円を粉飾した(有価証券報告書の虚偽記載)。また、同年10~11月には、関連会社の株価をつり上げるため、企業買収や業績状況について虚偽の発表をした(偽計・風説の流布)。
堀江元社長は福岡県八女(やめ)市出身。東京大在学中にLDの前身となるホームページ作成会社を設立した。04年に社名をライブドアに変更、株式交換による積極的なM&A(企業の合併・買収)の展開などでLDを急成長させたが、06年の逮捕で経営を退いた。
一連の事件で起訴されたLDと関連会社1社、他の幹部と公認会計士の計2社5人の有罪判決が確定している。【伊藤一郎】