チェルノブイリ事故:欧州で追悼集会 反原発訴え

2011年4月26日 11時21分 更新:4月26日 17時20分

放射能の標識をかたどる紅白のロウソクに灯をともす若者ら=ウィーン中心部で2011年4月25日夜、樋口直樹撮影
放射能の標識をかたどる紅白のロウソクに灯をともす若者ら=ウィーン中心部で2011年4月25日夜、樋口直樹撮影

 【ウィーン樋口直樹】1986年に起きた史上最悪の旧ソ連チェルノブイリ原発事故から26日で25年。被災国のウクライナや欧州各国では、犠牲者への追悼と反原発を訴える集会が実施、計画されている。

 原子力の平和利用を推進する国際原子力機関(IAEA)のお膝元、オーストリア・ウィーンでは25日夜、大規模な反原発集会が開かれた。東京電力福島第1原発事故で原発の安全性が問われる中、ファイマン首相も参加し、チェルノブイリ事故の被害者への連帯感を示し、「脱原発」推進を誓った。

 集会は環境保護団体が主催。会場の寺院前に集まった約2000人を前に、ファイマン氏は「チェルノブイリ事故以降、(世界中で)160以上の原発が新設された。原発推進の圧力団体は事故の記憶が忘れ去られるのを待っているが、我々は決して忘れてはならない」と力説した。

 オーストリアは78年に国民投票で原発の運転を否決し、原子力禁止法を設けるなど、国を挙げて反原発を主導してきた。ただ、原発発電分を含む電力を周辺国から輸入しており、集会主催者のカステンホーファー代表は毎日新聞に「エネルギー効率の高度化や再生可能エネルギーの開発が重要だ」と語った。

 集会ではウィーンの音楽大学で学ぶ日本人留学生が演奏を披露。安達真理さん(26)は「私たちが原子力エネルギーに依存し、便利な生活を送ってきたのも事実。福島の事故が世界で原子力を真剣に見直すきっかけになってほしい」と話した。

 一方、ロシアのメドベージェフ大統領は26日、ウクライナのヤヌコビッチ大統領らとチェルノブイリ原発を訪問する予定。今も見通しが立っていない原子炉解体に向けた方策などについて協議するとみられる。

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