★感染者を名乗る日本人男性2人が証言
中国を中心に、エイズに似た症状を訴えながら、検査では「陰性」と判定される患者が相次ぎ、「陰滋病」(陰性エイズ)として話題になっている。中国衛生省は「心理的な要因だ」としているが、新型肺炎SARSに立ち向かった中国の著名医師も研究を始めた。こうしたなか、20代の日本人男性2人が「私たちは感染者。実態を世間に広めてほしい」と夕刊フジの取材に応じた。
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「陰滋病」は昨年春ごろから、中国の新聞やテレビで取り上げられ始めた。上海万博開催で報道は一時下火になったが、今年に入って再燃した。ほぼ共通する『症状』は別表の通り。訴えが相次いでいる中国・広東省の地元紙は「未知のウイルスによる奇病の疑いもある」などと報じている。
今回、夕刊フジのインタビューに応じたのは、東京都に住む20代半ばのAさんと、首都圏在住の20代前半のBさん。外見はいたって普通の若者だ。
このうちAさんは2007年秋、千葉県内のソープ店でコンドームを着けて遊んだ翌日から、異変を感じたという。相手女性の出身国は不明だ。
「全身にしびれとチクチクする痛みを感じた。熱は37度少し。陰部がただれて赤く腫れ、リンパ線が膨張していた。即、皮膚科に行くと『性器ヘルペス』と診断され、薬を処方されたが改善しなかった。エイズをはじめ、性病など、徹底的に検査したがシロだった」
「すごく疲れやすい。下痢が2、3カ月続く。仕事もやめざるを得なくなった。大学病院や総合病院、泌尿器科や性病科など30件ほど回ったが、原因は不明。心療内科にも行ったが『問題なし』。昨年、ネットで『陰滋病』を知った。同じ症状だった」
Bさんは昨年、海外で風俗嬢と遊んだのがきっかけだった。当然、コンドームは着けていた。病院の領収書の束を持ちながら、こう話す。
「遊んだ翌日から、全身にピリピリする痛みを感じた。尿道も少し痛かった。性病の知識がなかったので『気のせいだろう』と思っていた。9月になっても治らないので、エイズをはじめ、徹底的に性病検査をした。すべて陰性だった」
「でも、間違いなくおかしい。疲労感がものすごい。頭の回転も遅い。目の焦点もボケる。視力も落ちた。のどに圧迫感があり、口内炎ができやすい。交際中の彼女にも感染したのか、やや軽いものの同じような状況になっている」
AさんとBさんは、インターネット上で情報収集するとともに、自らの『症状』を公開したところ、都内をはじめ東北や関西など全国から「実は、私もそうだ」「同じ症状だ」という10人以上の男性から応答があった。彼らの多くは、都内の歓楽街で感染したと主張している。
中国の羊城晩報は先月11日、呼吸器疾病の第一人者で、中国工程院院士・中華医学会会長、鐘南山氏のインタビューを掲載。鐘氏は60人の自称「陰滋病感染者」を研究しており、「衛生部の(感染症ではないとの)説明に完全に同意できない」としている。
もし、コンドームを着けても防御できない未知の感染症が、中国だけでなく、日本国内でも広がりつつあるとすれば…。Aさんはいう。
「どうか、政府にこの症状が何かを調べてほしい。心因性でないことは、すべての検査がシロなのに体調が戻らないことで明らか。日本の風俗事情を考えると、爆発的に広がる危険性がある。どんな調査・研究にも協力したい」
第3者を通じて、細川律夫厚労相や民主党の長妻昭前厚労相に実情を訴えたが、細川氏からは返答はなし。長妻氏からは「世直しの参考とさせていただきます」とメールで返信が来たという。
伝染性の奇病だとすれば、早期の封じ込めが大事なのだが…。
【陰滋病を訴える人々の症状】
・微熱(36.8〜37.2℃)
・全身を刺すような痛み
・体の温疹、黒いアザ
・口内炎、歯茎の腫れ
・のどの腫れと痛み
・半年以上続く下痢
・嘔吐感、食欲不振
・ひどい倦怠感など