2011年4月25日 19時35分
福島第1原発事故を受け、福島県郡山市は25日、市内28の小中学校と保育所で、放射性物質が含まれているとみられる校庭・園庭の表土(深さ2~3センチ)を試験的に除去すると発表した。放射線量を下げる対策として初の試み。今週末から開始し、効果が認められれば高校や公園でも実施する。
対象は小学校が9、中学校が6、保育所が13。県が今月上旬に行った調査で、地面から高さ1センチの放射線量が小中学校で毎時3.8マイクロシーベルト、保育所で毎時3.0マイクロシーベルト以上の箇所を選んだ。文部科学省が学校などの屋外活動制限の基準としている3.8マイクロシーベルトを参考にしたが、その測定位置(50センチ~1メートル)より高い値が出やすい地面付近の値とした。
郡山市は県内では比較的放射線量が高い。原発から放出された放射性物質は地面の表層にとどまっているとの専門家の指摘があり、市独自に対策を取ることにした。取り除いた土砂は市内の埋め立て処分場に運ぶ。市災害対策本部は「子どもの安全を考慮して文科省より厳しい基準とした。土砂の最終処分法は今後検討する」と説明している。【坂本智尚】