リビア:無人機投入…反政府側、歓迎と憂慮

2011年4月22日 21時53分

 【カイロ斎藤義彦】カダフィ政府軍の砲撃を受けているリビア北西部ミスラタを巡り、「非道な攻撃」(クリントン国務長官)を憂慮した米政府が21日、ミサイルを搭載した無人航空機「プレデター」投入を表明したことについて、反政府側は歓迎する一方、無人機攻撃がアフガニスタンなどで市民の犠牲を多数生んでいることを重視し、安易な投入に憂慮も出始めている。

 イラクを訪れているマレン米統合参謀本部議長は22日、「カダフィ政権の地上兵力のうち3~4割を破壊した」と述べたが、「状況は確実に手詰まりに向かっている」と分析した。無人機攻撃はこう着状態の打破にも狙いがありそうだ。

 AFP通信によると、反体制派「国民評議会」の担当者は22日、「はるか上空からの(有人爆撃機による)空爆より正確だ」と無人機攻撃を歓迎した。

 しかし、ミスラタでカダフィ政府軍は民間ビルから狙撃するなど市民を「人間の盾」に使っている。「敵と味方を(爆撃機の空爆)より正確に区別できる」(米国防総省)という無人機攻撃がどこまで「人間の盾」を避けられるかは未知数だ。

 英BBCは22日、無人機攻撃が「正確ではなく」、市民の犠牲を生み、アフガンなどで戦況泥沼化の一因になっている点を指摘。

 一方、米共和党の軍事問題の重鎮であるマケイン上院議員は22日、北東部ベンガジの国民評議会を訪問、反体制派を「ヒーローだ」とたたえた。同議員は米国のリビアへの人道介入の支持者で、オバマ政権の控えめな軍事支援に批判を強める可能性もある。

 反体制派は22日までにミスラタ市中心部の支配権を回復。西部ナルートに通じるチュニジアとのワジン検問所を奪取した。反政府側への補給路を開く動きとして注目される。

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