シリア:非常事態解除を発令 48年ぶり、自由拡大は疑問

2011年4月21日 23時43分

 【カイロ和田浩明】シリアのアサド大統領は21日、63年から48年間続き強権支配の象徴として批判されてきた非常事態法を解除する大統領令を発布した。国営のシリア・アラブ通信が報じた。国内各地に広がった民主化要求を受けた措置だが、政治的な自由の拡大につながるか疑問視する向きがある。

 今回の措置は19日に閣議決定された。政治囚訴追に使われてきた最高治安法廷を廃止し、禁止されていたデモを一定条件下で許容する大統領令も出たが、民主化勢力からは「デモを規制する運用がなされる可能性がある」との懸念も出ている。

 デモ隊に対する治安部隊の弾圧で約20人が死亡したホムスでは21日、自動小銃で武装した治安部隊が展開した。22日のイスラム教恒例の金曜礼拝に集まる人々のデモ参加をけん制する措置とみられる。

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