2011年4月21日 18時42分 更新:4月22日 2時54分
女性の胴体をかたどった香水瓶を立体商標と認めなかった特許庁の審決は不当として、香水を販売する資生堂の子会社「ボーテ プレスティージュ アンテルナショナル社」(本社・パリ)が、審決を取り消すよう求めた訴訟で、知財高裁は21日、請求を認める判決を言い渡した。滝沢孝臣裁判長は「瓶の形状は強い印象を与え、他社の商品と識別できる」と述べた。
商標登録の是非が争われたのは、93年に発売された女性用の香水「ジャンポール・ゴルチエ『クラシック』」の容器。著名デザイナーのジャンポール・ゴルチエ氏が考案したもので、コルセットを身につけた女性の胴体をかたどったガラス瓶の上部に、金属製の噴射器が付いている。
高裁は「女性の身体をモチーフにした香水瓶は他にもあるが、胸やくびれなどを表現した形状は他に見あたらない」と指摘。「15年以上も販売され、消費者が瓶をみればゴルチエブランドだと認識できる」と述べた。
ボーテ社は06年4月に立体商標の登録を出願したが、特許庁は10年7月に「他社の商品との識別力を有するとは認められない」として退けていた。【伊藤一郎】