【社会】東電、汚染水浄化システムで実験 再稼働は21日以降か2011年6月19日 21時54分 福島第1原発の高濃度放射能汚染水を浄化するシステムが稼働から5時間で停止した問題で、東京電力は19日、放射線量が手動停止しなければならないレベルに高まった原因を調べる実験を始めた。20日にかけて行い、再稼働は21日以降になる見込み。注水で増え続ける高濃度汚染水は6月末にもあふれる可能性があり、東電は「浄化後の水を入れる仮設タンクに高濃度汚染水を移送することも検討する」と述べた。 放射線量が想定外の高濃度となったのは、浄化システムのうち、セシウムを取り除く米キュリオン社の装置。セシウムを吸着する鉱物のゼオライトを詰めた円柱状の「吸着塔」は6台1組で4組並んでおり、ある程度の油を分離した高濃度汚染水を流す。性質の異なるゼオライトが油分や放射性セシウムを順番に吸着して取り除く仕組みだ。 使用を重ねると放射性物質の吸着量が増えるため、東電は目安として表面線量が毎時4ミリシーベルトで吸着塔を交換する計画だった。6台のうち油分を取り除く先頭の吸着塔は1カ月程度持つと見込んでいたが、稼働から5時間足らずで目安を超える4・69ミリシーベルトを計測した。 東電は19日の会見で、高濃度汚染水に含まれる油や汚泥が予想より多く、放射性物質が早くたまったと推測。原因を確認するため(1)何も入れず筒を通すだけ(2)ゼオライトの代わりに油だけ取る薬剤を充填(じゅうてん)(3)これまでのゼオライトを充填−の3種類の吸着塔を用意し、約5時間、高濃度汚染水を通す。汚泥のたまり具合を確認し、浄化システムの構成を見直すなどの対策を取る。 (中日新聞) PR情報
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