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<福島第1原発>震災後の対応ドキュメント

毎日新聞 6月18日(土)21時57分配信

 東電が18日公表した調査結果のうち、1〜3号機への注水とベントに関する経過は次の通り。

 ◇直後

 3月11日14時46分 地震発生。3、4号機の中央制御室はほこりで煙幕を張ったように真っ白になる。各号機で原子炉非常停止の作業。

 15時27分 津波の第1波到達。

 15時35分 津波の第2波到達。

 15時42分 1〜6号機の全電源喪失。照明や表示灯が徐々に消える。2号機側の中央制御室は非常灯も消えて真っ暗に。水位計の電源も落ちる。計器類の復旧のため、構内からバッテリーやケーブルの収集を始める。長さ約200メートルのケーブルは重さ1トン以上。約40人の人力での敷設は、津波による水たまり、障害物散乱などのため難航。余震のたびに作業中断を繰り返した。

 ◇注水

 <1号機>

 11日15時37分 全電源喪失。

 16時36分 緊急炉心冷却装置(ECCS)による原子炉への注水ができない状況になる。

 17時12分 代替注水手段や、防火水槽を用いた消防車の使用の検討を開始。中央制御室の計器が電源喪失で使用できず、暗闇の原子炉建屋へ入る。

 21時19分 炉内の水位が燃料棒の頂部の20センチ上と確認。

 12日1時48分 消防車からの注水を検討開始。消火栓からは水が噴出、別の水源を探す。消防車を1号機近くに配置するにも、移動が難航。ゲートも停電で開かない場所があり、道路の通行可能な場所のゲートのカギを壊し、1号機を目指す。防火水槽へ水を注入するたび、消防車のホースを抜かねばならず、注水はたびたび中断した。

 14時54分 吉田昌郎発電所長から海水注入の準備の指示。

 15時36分 原子炉建屋で水素爆発が発生、現場退避、海水注入のホースが損傷。がれきを片付け、ホースを探して再敷設。

 19時4分 海水注入を開始。

 <2号機>

 11日15時41分 全電源喪失。

 17時12分 代替注水手段や消防車の使用について検討を開始。代替注水ラインを構成するため暗闇の中、原子炉建屋とタービン建屋で残留熱除去系(原子炉の冷却システム)などの弁を手動で開け、原子炉圧力の減圧後に注水可能な状態にした。

 12日15時36分 1号機で水素爆発が発生。飛散物でケーブルが損傷し、高圧電源車が自動停止。作業を中断し、全員が免震重要棟(作業拠点)へ退避。

 14日11時1分 3号機原子炉建屋で水素爆発。準備完了状態だった注水ラインは、消防車及びホースが破損して使用不可能に。

 16時ごろ 原子炉の圧力を下げるため、車両からバッテリーを集めて中央制御室に運び電源ケーブルをつないだが、バッテリーの電圧が不足。バッテリーを追加して複数の逃がし安全弁の動作を試みる。

 19時20分 海水を注入するための消防車が燃料切れで停止。

 19時54分 原子炉内に消防車による海水注入開始。

 <3号機>

 11日15時38分 全電源喪失。

 12日11時36分 冷却システム停止。所内の消防車は1号機の海水注入に使用していたため、応援を要請するも到着せず。バッテリー不足で逃がし安全弁を動かせず。社員の通勤用自動車のバッテリーを外して集め、中央制御室に運んで計器盤につなぎ込んだ。

 13日9時25分 消防車による代替注水を開始。電源復旧作業を実施するが、度々の余震や劣悪な作業環境により思うように作業が進まず。

 10時半 (原子炉への)海水注入を視野に入れて動くとの吉田所長指示。

 13時12分 海水注入を開始。各所に消防車の応援要請を継続して行っていたが、構内の放射線量、汚染の問題や発電所までの道路状態が悪いことなどの理由により、発電所に直接向かうことができず。水源として、4号機タービン建屋の地下にたまった(津波による)海水を利用するため、タービン建屋大物搬入口のシャッターを破壊して消防車を入れて取水を試みるが、引くことができない。

 14日明け方 応援の消防車が到着。淡水源として要請していた自衛隊の給水車5トン(計7台)も到着。補給作業を開始する。

 11時1分 原子炉建屋で水素爆発。

 16時半ごろ 消防車による海水注入を再開。

 ◇ベント

 <1号機>

 11日16時36分以降、中央制御室で、ベントに必要な弁や位置を確認。

 21時51分 原子炉建屋の放射線量が上昇し、立ち入り禁止に。

 23時50分ごろ 格納容器圧力の上昇を確認。

 12日0時6分 吉田所長がベントの準備を指示。

 1時半ごろ ベント実施を首相、経済産業相、経済産業省原子力安全・保安院に申し入れ、了承を得る。東電本店から「あらゆる方策でベントしてほしい。午前3時に経産相と当社がベント実施を発表する。発表後にベントすること」との情報。

 3時45分ごろ 原子炉建屋の二重扉を開いたところ、白いもやもやが見え、閉鎖。

 4時半ごろ 余震による津波の可能性から、現場操作の禁止を指示。線量がさらに上昇。

 8時3分 吉田所長から「1号機のベントは9時を目標」と指示。

 8時27分 大熊町の一部住民が避難できていないとの情報が届き、避難終了後にベントをすることで調整。

 9時3分 避難完了を確認。

 9時4分 第1班が懐中電灯を持って出発。手動で格納容器ベント弁を開く操作に着手。続いて第2班が圧力抑制プールの弁開放のため出発するが、線量が高く引き返す。作業を断念。

 10時17分から3回、中央制御室で弁の開放操作をするが、開いたか不明。

 12時半ごろ 弁開放に使う空気圧縮機「仮設コンプレッサー」を協力企業で発見、原子炉建屋付近に設置。

 14時 コンプレッサー起動。格納容器の圧力が低下。

 14時半ごろ ベント実施と判断。

 <2号機>

 11日16時36分 緊急炉心冷却装置による注水が不能と判断。

 23時25分 計器類の復旧により、格納容器の圧力が判明。

 12日1時半ごろ 1、2号機のベント実施を首相、経済産業相、原子力安全・保安院に申し入れ、了解を得る。

 17時半 ベント操作の準備を開始するよう吉田所長が指示。

 13日(時間不明) 格納容器ベント弁を手動で開くため、当直員が原子炉建屋に出発。

 10時15分 ベントを実施するよう吉田所長指示。

 14日11時1分 3号機原子炉建屋で水素爆発。圧力抑制プールのベント弁につながる回路が外れ、閉まる。当直員を除く作業員は、免震重要棟に退避。

 16時20分 圧力抑制プールベント弁を開く操作をしたが、コンプレッサーからの空気が十分でなく操作できず。

 21時ごろ 圧力抑制プールベント弁を開く操作。

 21時20分 逃がし安全弁を二つ開き、原子炉水位の回復を確認。

 15日0時2分 格納容器ベント弁を開く操作。

 6時〜6時10分ごろ 圧力抑制プール付近で爆発音が発生。応急復旧作業に必要な要員を除き、一時的に福島第2原発へ避難。

 <3号機>

 12日17時半 格納容器ベントの準備を開始するよう吉田所長指示。

 13日8時41分 ベント開始。

 9時24分 格納容器の圧力が減圧されたことを確認、同20分ごろにベントが実施されたと判断。

 14時31分ごろ 原子炉建屋二重扉北側で毎時300ミリシーベルト以上(中は白いもやもや状態)。

 15時28分 中央制御室の線量が毎時12ミリシーベルトとなり、当直員は4号機中央制御室側に退避。

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最終更新:6月19日(日)0時44分

毎日新聞

 

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