次世代原子炉の1つである「高温ガス炉」の研究が国内外で加速している。日本原子力研究開発機構は2010年12月、高温ガス炉の研究炉「高温工学試験研究炉(HTTR)」(茨城県大洗町)で炉の安全性を確かめる実験に成功。今年からはより高度な安全確保のための研究を始める。高温ガス炉は中国や韓国が早期実用化を目指している。米国やカザフスタンは原子力機構の技術に関心を寄せている。
高温ガス炉は現在最も普及している原子炉である軽水炉に比べ出力は3分の1から5分の1程度と小さいものの、原子炉の核反応で生じたエネルギーを受け取る冷却材にヘリウムガスを用いており、セ氏900~950度という高温の蒸気を作り出せるのが特徴。蒸気はそのまま地域暖房や水素製造に利用できる。
日本の軽水炉では電気エネルギーのみを活用するのに対し、高温ガス炉は熱エネルギーも利用可能で、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に減らせるという。作り出した水素は、次世代エネルギーとして燃料電池自動車に利用したり、製鉄で水素還元するのに活用したりできる。
研究段階ではあるが04年4月、日本初の高温ガス炉HTTRは、出力が30メガ(メガは100万)ワット、原子炉の出口の冷却材の温度は世界最高のセ氏950度を記録した。10年3月には50日間にわたって950度での連続運転にも成功した。
高温ガス炉のもう1つの特徴は「極めて原子炉の安全性が高いこと」(原子力機構の小川益郎原子力水素・熱利用研究センター長)。何らかの問題で冷却材のヘリウムガスを炉内に送り込めなくなった場合、燃料の温度が高くなると自然に中性子を吸収し始めて、核反応を抑えるように働く。
ウラン燃料が黒鉛で覆われており、燃料に中性子が吸収されるという自己制御の能力があるという。この機能は、軽水炉をはじめ、研究開発中の高速増殖炉「もんじゅ」には備わっていない。
原子炉、日本原子力研究開発機構、軽水炉、高速増殖炉、燃料電池
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