浄化設備 運転停止し原因調査
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浄化設備 運転停止し原因調査

6月18日 12時21分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所で、高濃度の放射性物質に汚染された水の浄化設備が、17日夜、本格的に動き始めましたが、このうちのアメリカ製の装置で、放射線量が想定よりも早く交換の目安の値に達したとして、東京電力は浄化設備の運転を停止して原因を調べています。

福島第一原発で事故の収束の鍵を握る高濃度の汚染水を処理するための浄化設備は、17日午後8時から本格的に動き始めました。ところが、浄化設備のうち、主に放射性セシウムを除去するアメリカのメーカー製の装置で、放射線量が想定していたよりも早く、交換の目安の値に達したため、東京電力は、18日午前0時54分、いったん運転を停止しました。この装置では、放射性セシウムなどを「ゼオライト」という鉱物を使って取り除く仕組みで、「吸着塔」と呼ばれる部分の放射線量が1時間当たり4ミリシーベルトの基準に達すると交換することになっていました。東京電力によりますと、今回、放射線量が基準に達した場所では、交換まで1か月ほどの余裕があるとみていましたが、運転開始から5時間ほどで基準に達したということです。これまでのところ、汚染水の漏えいや装置の異常は見つかっていないということで、東京電力は、汚染水が流れる配管付近の放射線量を計測した可能性や、水の中に汚染の度合いの強い泥などが含まれていた可能性が考えられるとして、詳しく調べています。浄化設備は、増え続ける高濃度の汚染水を減らすとともに、浄化した汚染水を使った原子炉の「循環注水冷却」の要となる施設です。18日午前に記者会見した海江田経済産業大臣は「いつまでにやらないといけないというプレッシャーをかけるつもりはない。東京電力には安全性を確保して安定的に動くようにしてほしいと話した」と述べました。