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読み上げソフトで利用できない国会図書館の電子書籍--障害者が読書のバリアフリー求めて集会

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活字を読むのが難しい視覚障害者や学習障害者らが書籍の電子化や音声化などを自由にできるようにする読書バリアフリー法の実現を求める集会が24日、東京都内永田町の参議院議員会館で開かれた=写真。集会は、障害当事者や障害者の家族、図書館員らで作る「2010年国民読書年に障害者・高齢者の読書バリアフリーを実現する会」や活字文化議員連盟、文字・活字文化推進機構が主催した。

集会では、読書バリアフリーを実現する会事務局長の宇野和博・筑波大学付属視覚特別支援学校教諭が、出版社による活字図書のアクセシビリティー保障、図書館内のバリアフリー媒体の充実、国立国会図書館の電子図書館アーカイブのアクセシビリティー確保の3点を課題に挙げた。

このうち、国会図書館の電子図書館構想については「本のページをJPEG2000という画像ファイルで表示しているため、視覚障害者が使う音声読み上げソフトでは読み上げられないし、読みやすい書体にも切り替えられない」と訴えた。

手足の筋肉が衰える難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の土居賢真さんは、ALSについて国内に約8千人の患者がいること、人工呼吸器で生きられるが、3~5年で死亡する人が多いことなどを活字ボードを用いた筆談で紹介。自動ページめくり機や視線による意思伝達装置購入への公的助成制度の導入を訴えた。

最後に、「2010年は国民読書年。障害の有無や年齢にかかわらず、すべての国民が享受できる活字文化の実現のために、拡大文字や電子データによる自由な書籍利用の実現を目指す」ことを参加者全員が採択して集会を締めくくった。【岩下恭士】

◆動画:読書のバリアフリーを訴える参加者

2010年3月25日

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