田中　豪快ボレーで柏堅首

　各地で９試合を行い、首位の柏は２−０で今季未勝利の福岡に快勝し、勝ち点を２５に伸ばした。仙台は後半ロスタイムに菅井の２試合連続ゴールで１−１に追い付き、新潟と引き分けた。無敗の仙台は同２１で２位を守った。川崎は２−０で広島を下し、勝ち点２０で３位に浮上。Ｇ大阪は遠藤が活躍して２−１で横浜Ｍに、清水は３−１で浦和に勝った。浦和は９試合連続未勝利となった。

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　ＦＷ田中の豪快な一撃で勢い付いた首位の柏が、同じ今季昇格組で最下位に低迷する福岡を打ち破った。前半３９分、ゴール前でつないだボールを受けたＭＦ茨田が、ペナルティーエリア左にフリーの状態で進入したＦＷ田中に絶妙な浮き球を送る。

　「ワントラップしたらダメと思い、ダイナミックに狙った。雨も味方してくれて、ＧＫの手をすり抜けてくれた」

　左足を大きく振り抜く強烈なボレーでゴールを射抜く。チーム屈指の身体能力の高さを誇る田中の今季５得点目で先制。試合終了間際にも、途中出場した新加入のＭＦ兵働が追加点を決め、首位をがっちりと守った。

　堅守を誇った守備陣が、前節の磐田戦では３失点を喫して完敗。それでも、ＤＦ増嶋は「いままでやってきたことに自信がある。あれで崩れるわけではない」と強気に語った。福岡の積極的なプレスに苦しみながらも、磐田戦で中途半端になったマークを徹底。今季のリーグ１１戦目で、７度目の無失点勝利を飾った。

　これで２位仙台との勝ち点差は「２」から「４」に開いた。ＦＷ北嶋は「内容は決して良くはなかったし、メンタル的にも難しい試合だったが、勝ち切れたのはチームの成長ととらえたい」と、勝負強さを発揮するチームに手応えをのぞかせた。

　絶対に避けたかった連敗は阻止し、「ここで連敗しない、気持ちの強さを見せられたと思う」と振り返った田中。柏がＪ１復帰後の最初の危機を乗り越えた。　（相原俊之）