むむむむーっ。
とうとう１年に一度、私が腕を振るいまくって一日中料理をしなければならない日がやってきた。
感謝祭。
それは、食べ物に感謝する祭り。
食べて、食べて、食べまくる日である。

私達は家族も親戚も近くに住んでおらず、感謝祭は基本的に｢家族と過ごすお祭り｣なので、仕方ないので私達はいつも３人で過ごしている。
友達なんかは、
｢私達はいとこの家族に呼ばれたの～｣とか、
｢私達は主人の両親が近くに住んでるから～｣とか、
なにか楽しげに集まっているようで、そんな話を聞くと負けるものか！と腕を振るわずにいられない。（←単に嫉妬している）

とりあえず、３日ほど前に小ぶりの七面鳥をゲット。
以前、感謝祭の前日に七面鳥を買いに行ったら、｢売り切れデース｣と軽くのたまわれたので、それ以来すこし早めに買出しに行っている。
私のような庶民が買う七面鳥は冷凍七面鳥なので、３日くらい前から塩と酢をいれた水に入れて解凍しておく。すると、不思議や不思議、七面鳥の肉が柔らかく、かつおいしくなるのである。（と言われている。）

そして、この七面鳥の焼いたものにかけるクランベリーソース。
訳の分からない不味いソースだが、一度高級レストランのクランベリーソースサンドイッチを食べたら非常においしかったので、やっぱり自分の作り方が悪いのかと、今年は既に高級レストランで作られてパック詰めで売られていたクランベリーソースを買ってきた。

メニューはこうである。
七面鳥（１昼夜数種のハーブとニンニクを擦り込んでおいたもの）にクランベリーソースと普通のソース。
インゲンのグラタン。
キャラメル・スイートポテト。（←単にカラメルとサツマイモを想像してもらえればいいですね。）
サラダ。
色とりどりのおつまみは、生ハム、カマンベールチーズとクラッカー、スイスのチョコレート、ナッツ、緑のブドウと洋ナシ、チップスとディップ。
イチゴとブルーベリーのチーズケーキ。
んー・・・・・（もっと作れよ！）

とりあえず、七面鳥さえ焼けば感謝祭なのだ。
そして、七面鳥は、焼くのに７時間くらいかかる。
私は小ぶりのものを買ってきたから、５時間くらいだろうか。
昼から焼きだして、夕飯には焼きあがって、さあ召し上がれという勘定だ。

私がいそいそと七面鳥と格闘していると、後ろから旦那が、
｢七面鳥なんて、食べたくないな～｣等とのたまい、
私が、うまくチーズケーキが焼けたと喜んでいると、大きな声で旦那が、
｢俺はチーズケーキよりスウィートポテトパイが好きだな。｣等とほざき、
私がキャンドル・ライトを部屋中につけて感謝祭の雰囲気を作っていると、遠くから旦那が
｢香子、お願いだから電気をつけてくれ。｣等と叫び、
私が色とりどりのおつまみを芸術的に盛り付けていると、横から旦那が
｢なんだ、こんな少しずつか～、食べちゃうぞ～、がつがつがつ｣と無造作に食べられ、
ムカムカムカするが、
私はやり遂げなければならない！！！！
アメリカ全国皆様が、素晴らしい感謝祭を過ごしていると思うと、我が家もどこよりも素晴らしい感謝祭にしなければ、と燃えてくる！！！
そして、あ、ちょっとチーズケーキが焦げちゃったとか、あ、用意してたソースを床にこぼしちゃった等と失敗をしても、

｢大丈夫、香子、あなたは天才よ！天才！あなたならできる！あなただったらできる！｣(←いつも失敗をすると、あなたは天才！と自分に自分で声をかけることにしている）

と訳の分からない掛け声を自分にかけ、ちょろちょろ走る息子を横目で見ながら台所で格闘している。