旦那に、楽天のログイン画面をハッカーされてから3日目になる。
何をどうしても、ログインできないのだ。
幸運な事に、楽天は電子メールで送信する事で日記に記入する事が出来る。
旦那はこの事を知らない。
がっはっは。
・・・・。
しかしながら、本当に不便だ。
旦那に猫なで声で、ちょっと直してちょんまげ、などと英語で言ってみる。すると旦那は
「Clean the mold(かびを掃除しろ。）」と言うだけ。
これは、私がずーっと掃除していない、部屋の片隅の小さなかびの事である。

このかびは、庭に面した古い窓の下にできたものである。窓が古いので、部屋が暖かくなると必ずそこには水滴が溜まる。部屋の隅である上に、ソファで隠れてみえない位置なので、引っ越してきてから一度もふいた事がなかった。
それがしばらくして黒くなっていたが、気にもとめていなかった。

ところが、先月、私の咳の件で主治医にあったところ、これは風邪でなくて喘息かもと言う。喘息の知識があまりにもなかった私たちは、早速アメリカ政府推奨の喘息に関するナントカというサイトを読み、いくつかの新しい知識を仕入れた。
大袈裟に聞えるが、大した事ではない。大まかに言えば、喘息は人それぞれ咳の理由が違う。例えば、ある人は排気ガス、ある人は花粉、ある人は埃という具合。私の場合は何が原因かよく分かっていないので、まずは部屋をきれいにするのがいいだろう、ということらしい。
そこで、我が家は大掃除をすることにした。まず、埃の出る絨毯は大型ゴミとして捨てることに決定。古かった掛け布団は、良い機会と新しいのに買い替え、マットレスにはビニールのカバーをかける。空気清浄器を購入し、大きな家具と壁の間に少し隙間をつくって、空気の流れをよくする。更に、濡れぞうきん、掃除機、はたきの３つの道具で、かたっぱしから掃除した。（ちなみに、掃除したのは私だけで、旦那はゲームをしていた。）

さて、全部終わったところで、旦那がその窓の下の黒い部分を発見したのだ。
旦那「香子（私の仮名）、まだ掃除は終わっていない。ここが黒い。」
私「もう疲れた。それはアナタがやって。」
旦那「誰が喘息なのだ。君のためだ、君がやれ。」
そこで、私はそこを旦那に掃除してもらう事に決めた。

その後、私は肺の専門医に診てもらって、喘息ではなく、ただのアレルギーかなんかだろうと言われた。しかしながら、部屋の掃除をする事にこした事はないので、かびはそりゃあない方がいいだろう等と言われた。大きくうなずく旦那。
帰宅後さっそく旦那は「かびを掃除しろ。(Clean the mold.)」
掃除をしろと言われれば言われるほど、なぜこれは私の仕事で旦那の仕事でないのかと思う。
それに、アメリカ政府推奨のサイトには、「患者はなるべく咳の原因には近づかないように。咳の原因の掃除は家族の誰かに頼んでやってもらえ。」と書いてあるのだ。
私は徹底抗戦で、掃除を頑固に拒否。
数日が経った。

そして、ある日、私たちは小さい事でケンカした。
その時、彼は「You will regret this.（君はこの事を後悔するだろう。）」と最後に一言。
そして、その翌日から、私が楽天にログインしようとすると画面がいきなり変わって、
次の文字が点滅しながら現れるのだ。
”Kyoko(仮名）、Clean the mold. （香子、かびを掃除しろ。）”
本当に嫌になる。