松井は激走＆３四球で勝利に貢献　チームは３連勝　右翼守備も準備

　【オークランド穐村賢】イチローだけじゃない、日本人野手陣がそろって交流戦白星発進だ！！アスレチックス・松井秀喜外野手（３６）は１７日（日本時間１８日）、ジャイアンツ戦で激走＆３四球でチームの３連勝に貢献。カブス・福留孝介外野手（３４）も無安打ながら好走塁で１番の仕事をこなし、ヤンキースを撃破した。ツインズ・西岡剛内野手（２６）も復帰後２戦連続安打でチームも５連勝。サムライ戦士が随所に存在感を見せつけた。

　歯を食いしばり遮二無二、本塁へ突き進む。日米通算５００号への期待が膨らむ中、松井がこの日は激走でチームの３連勝に貢献した。

　３回に四球で出塁。この直後“珍プレー”が起こる。ウィリンハムの三塁線を抜けた打球はフェンスにあったパイプイスの足に当たり、その場に止まった。「（当たったのは）見えていない。イスに感謝しないと」。そう高笑いした松井は三塁を蹴り、楽々と勝ち越しの生還だ。メルビン監督代行も「大きなプレーだった」と主砲の激走を称賛。この日は、１４０６盗塁のメジャー最多記録を持つリッキー・ヘンダーソン臨時コーチがチームに帯同した。同コーチばりの走塁だったと報道陣から振られると背番号５５は「怒られるよ。ほんとに」と言いながら白い歯をこぼした。

　打席では好調を裏付けるように選球眼を見せつけた。注目の先発リンスカムとの対戦では２四球を選ぶなど、この日３四球。「今日は甘い球がなかったね」と余裕の表情で４打席を振り返った。

　敵地の交流戦で迎える右翼の守備についても準備に余念がない。「打撃練習の打球を受けるのが一番」と試合前の練習で右翼の位置に入り、打球の切れ方、スタートの仕方を確認。松井は「ちゃんと準備していけば大丈夫」と不安を一蹴すれば、ウォーラー外野守備コーチも「球の切れ方や走者の動きなどを話した。（松井の守備は）問題ない」と及第点を与えた。走攻守すべての面で臨戦態勢は万全。完全復活した松井がア軍の屋台骨を支え続ける。

　　（穐村賢）

　松井の同僚ウィリンハムの立ち上げた竜巻被害者支援のためのオークションが行われた。各選手が直筆グッズを提供し、個別に分けられたカゴごとに行うこのオークションには、ウィリンハムをはじめ選手の奥さんも参加。直筆サインバットの入った松井のカゴは１００ドル（約８０００円）から競売にかけられ、最終的に１０００ドル（約８万円）の値がつき、最高値となった。球団職員も「松井は人気があるからね」と想像以上の落札額に驚いていた。