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【大リーグ】

松井、日米通算500号に王手!! 交流戦で3年ぶり右翼守備も決定

2011年6月18日 紙面から

ロイヤルズ戦の3回、右越えに日米通算499号本塁打を放つアスレチックスの松井=オークランドコロシアムで(AP=共同)

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 【オークランド穐村賢】さぁ大台到達に王手だ!! アスレチックスの松井秀喜外野手は16日、本拠地のロイヤルズ戦に「3番DH」で出場。3回の第2打席に右翼席に豪快な6号ソロをぶっ放し、日米通算500号にあと1本とした。この日は交流戦で3年ぶりに右翼の守備に就くことも決定。戦力外通告の危機から完全に息を吹き返した背番号55が、怒濤の巻き返しで輝きを放ち始めた。

◆担当記者が見た

 つい3日前、「アスレチックスがトレードで売り手になったら」という特集記事が米メディアに出た。その論調は打率2割1分台のDHの行く末は、戦力外の他にないというもの。ところが今や松井を取り巻く状況は一変しつつある。

 メルビン監督代行、ビーンGMが口をそろえた「マツイは後半戦必ず良くなる」という言葉が一気に現実味を帯び、交流戦でも松井の外野起用が決定。戦力外通告の“クビ”から一転、仮にチームが低迷して放出要員になっても優勝争いを演じるチームへの“栄転”の可能性が出てきた。

 交流戦で守備もできることを証明できれば、ナ・リーグ球団への移籍も視野に入ってくる。もしア軍が優勝争いに踏みとどまれば、指揮官からの信頼の厚い松井が残留する可能性も十分。いずれにせよ、7月いっぱいのトレード期限まで、松井の動向から目が離せなくなりそうだ。 (穐村賢)

◆通路でストレッチ

 完璧だった。3回先頭で迎えた第2打席。今の松井が、失投を見逃すわけがない。2ボールからの83マイル(約134キロ)内角寄りの直球。打った瞬間それと確信した背番号55はバットをポーンと投げ、着弾点を見据えながら淡々とダイヤモンドを一周した。「状態は良くなっている。これから楽しみ」。ここ7戦で3発目のアーチは推定飛距離135メートルの特大弾。確かな手応えを感じ取ったのだろう。松井は「もうちょっと飛んでる予定だったんだけど…」と口も滑らかそのものだ。

 豪快な6号ソロで日米通算500号に王手をかけ、日本球界歴代5位相当となる日米通算2543安打を達成。「個人の記録に興味はない。日本とアメリカ足してのことだから」。大記録が目前に迫っても、松井は自らのスタンスを崩すことはない。ただ、メルビン監督代行が就任後、常時3番を約束されてから試合に臨むルーティンは変化。味方が守備に就いている際、ベンチ横の通路でストレッチを何度となくこなした。12日に誕生日を迎え37歳。押し寄せる年齢の衰えを防ぐため、ささいな準備も怠らない気持ちの表れだろう。

 試合前には朗報も届いた。21日からDH制のないナ・リーグの本拠地で行われる交流戦で、外野守備に就くことが決定。「マツイの打撃状態を保つために、各シリーズ1試合ずつ守らせるつもり」と説明したメルビン監督代行は続けて「ライトを守ってもらうと思う」と08年4月29日以来、3年ぶりに右翼に就かせる考えを明かした。

 この方針を伝え聞いた松井も「慣れていないが練習します。出る以上は責任がある」とやる気満々。外野守備を担当するウォーラーコーチも「マツイにはライトの経験があるし、すぐに対応するよ」と太鼓判を押した。指揮官の絶大な信頼を得て、松井がバットで、そして守備でも存在感を見せつけていく。

 

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