楽天をヤジってくれ　星野監督虎ファンに珍要求

　楽天の星野仙一監督（６４）が１７日、虎ファンに珍要求をした。１８日からは甲子園で古巣・阪神との２連戦。それを前に、虎党に何と、楽天側を徹底的にヤジるようにリクエストしたのだ。

　敵将として阪神と甲子園で対決するのは中日指揮官だった２００１年以来１０季ぶり。闘将がひそかに期待しているのは情け容赦ない阪神ファンの“口”撃だ。「オレは（現役時代から）ヤジは気にせんかったよ。ここは雰囲気にのまれるやつもいるけど、この雰囲気を楽しめるぐらいでなきゃいけない」。楽天ナインへのヤジを大歓迎した。

　国内最大の４万７８０８人の収容人員を誇る甲子園。試合中はマスゲームのような応援スタイルが延々と続き、敵軍にとっては四面楚歌（そか）状態。容赦ないヤジも“名物”の一つ。阪神と戦うのと同時に、球場独特の雰囲気にも打ち勝たなければならない。

　ただ、心を鍛えるにはもってこいの場所でもある。ビジター球団の選手は、ここでビッグプレーをしてこそ一人前といわれる。闘将は、優しすぎると指摘している楽天ナインを荒療治でたたきなおすつもりでいる。

　今季の総得点は、両リーグワーストの１２６点。勝負どころで失敗するケースが多く、ナインの精神面のもろさも課題となっている。「『星野がかわいそう』というヤジも来るかもしれんしな。オレが観客だったら、楽天の選手全員にヤジらないといかなくなるわ」。本拠地・Ｋスタ宮城の収容人員は約２万３０００人。その倍以上のファンで埋まる甲子園で降り注ぐ関西独特のヤジが、文字通り“強心剤”となると星野監督はみている。

　交流戦も阪神との２試合を残すだけ。虎退治はもちろんのこと、阪神ファンの力を借りて楽天ナインの弱気の虫も退治する。　（鶴田真也）