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【茨城】

「イルカ打ち上げ」はデマ 大洗観光協会打ち消し必死

2011年6月4日

震災前、鹿嶋で打ち上げられたイルカ。大洗ではイルカの座礁は確認されていない=3月5日、鹿嶋市の下津海岸で

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 東日本大震災直後、インターネット上などで「大洗にイルカが大量に打ち上げられ、余震の予兆か」とのうわさが流れた。そういう事実はなく、大洗観光協会は打ち消しに必死になっている。地元は震災や福島第一原発事故の風評被害による観光客激減に苦しんでおり、「うわさも一種の風評被害」として信じないよう呼び掛けている。 (堀尾法道)

 同協会の鬼沢保之さん(42)が、親や知人からこのうわさを聞いたのは三月下旬。インターネット上でツイッター(不特定多数の人に向けつぶやく短文)やブログ(日記)を見ると、このうわさをあまりに多くの人がしていることに驚いた。

 県内では、震災前の三月四日夜に鹿嶋市の下津海岸で五十頭以上のイルカが打ち上げられているのが発見された。このとき、手当てしたのがアクアワールド県大洗水族館(大洗町)の獣医師ら。

 ネットには「大洗でイルカが大量に打ち上げられた」とあり、頭数も「五十頭」が「百頭」「大量」に変わり、日付も変遷していった。鬼沢さんは大洗水族館の「大洗」が独り歩きし、つぶやきが次々と転載されたためと推測する。

 四月十一日に県内で震度6弱が観測された余震が襲うと、うわさはネット上などで一気に広がり、信じる県民もいて、同協会や水族館、警察に多くの問い合わせがきた。

 しかし、震災後は大洗町の海岸でイルカの大量座礁は確認されておらず、同協会は自身のホームページ(HP)でうわさを否定。鬼沢さんはブログやツイッターをしている人たちにもネットを通じて間違いを指摘した。それが功を奏したのか「最近はうわさを見なくなってきた」という。

 鬼沢さんは「こういう話を聞くと怖くなってしまう。正しい情報を出して観光客らの不安感を抑えたい。一つ一つ不安を取り除くしかない」と対応に苦慮している。

 詳しくは同協会HPで。

 

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