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がれき処理進まず 野焼きが大規模化 宮城・南三陸

津波浸水地のあちこちから野焼きの煙が上がる=18日、南三陸町志津川

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県南三陸町では、津波で生じた廃材などを野外焼却(野焼き)する住民が増えている。がれきの処理が進まず、しびれを切らしているためだ。日を追うごとに野焼きは大規模化しており、町は対応に苦慮している。
 18日午前、津波にのまれた同町志津川の漁港跡では、数カ所で煙と炎が上がっていた。すぐ脇を通る国道45号上にも煙が立ちこめ、時間の経過とともに一帯が霧に包まれたようになった。
 地域の仲間とともに廃材を燃やしていた女性(65)は「がれきをいつ、誰が片付けてくれるかも分からない。待っていても仕方がないので、自分たちで処理することにした。有害物質が出ないように気を付けてはいる」と話した。
 環境省によると、南三陸町のがれき処理の進行率は14日現在で29%。進んでいるとは言い難い処理状況が、生活再建を急ぐ住民らのいらだちを募らせている。
 野焼きは廃棄物処理法で禁じられているが、災害時の復旧作業などの場合は例外的に認められている。ただ、そうした場合も必要最小限の範囲にとどめるよう求められている。特に海水に漬かった木は塩分を抜き、高温で焼却しないと有害物質が発生する恐れもある。
 町環境対策課は「大規模な野焼きについては、やめるよう指導していきたい」と話している。


2011年06月19日日曜日


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