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東日本大震災:イリノイ大、被災者に「奨学金支給します」

 【ニューヨーク山科武司】奨学金を受けとれる新入生はいませんか--。米中西部の名門、州立イリノイ大学アーバナ・シャンぺーン校は、東日本大震災の被災者で同大学への進学を希望する学生に、奨学金申請を呼び掛ける。大震災を受けて内外から寄せられた善意が、校内規則で宙に浮きかねないためだ。

 同校では大震災発生直後、美術工芸学部と「ジャパン・ハウス(日本館)」が中心となり被災者に義援金を送る「日本災害救援基金」を設立。3万7000ドル(約300万円)の寄付金が集まった。

 だが「基金は学生支援や構内整備など、教育振興目的に限る」との同大の規則に抵触することが判明した。同校はホームページで経緯を説明して謝罪し「希望者には払い戻し、残金は被災者向けに用いたい」とした。

 払い戻し分を除く3万ドルについて当初、同大生が被災地で支援活動する費用に充てることも検討されたが、福島第1原発事故のため断念。結局、被災した日本人学生向けの奨学金とすることにした。

 同学部のロジャー・ララミー副学部長によると現在、同校には約100人の日本人学生が在学しているが、該当者は確認されていない。そこで9月の新学期以降に入学する学生にも対象を広げることになった。近く同大のホームページで詳細を公表する。

 イリノイ大アーバナ・シャンぺーン校は1867年創立。17学部あり学生は約4万人。11人のノーベル賞受賞者を輩出している。これまでに1500人以上の日本人が学んだ。

毎日新聞 2011年6月18日 18時55分(最終更新 6月18日 21時06分)

 

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