フランス政府は17日、日本から空輸された静岡県産の茶葉から基準値を超える放射性セシウムが検出されたと発表しました。
フランスで食品の安全を監視する当局が17日、発表したところによりますと、パリのシャルル・ドゴール空港で、日本から空輸された静岡県産の乾燥させた茶葉を検査したところ、1キロ当たり1038ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。これは、EU=ヨーロッパ連合が設ける最大許容量1キロ当たり500ベクレルのおよそ2倍にあたることから、フランス政府は空輸された茶葉162キロを押収し、今後、廃棄処分にするとしています。EUの基準値1キロ当たり500ベクレルは、日本が出荷制限を検討する暫定基準値と同じ値です。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、フランスで日本の食品から基準値を超える放射性物質が検出されたのは今回が初めてです。EUでは、福島や東京など1都12県から出荷された食品を輸入する際、放射性物質の検査を義務づけていますが、静岡県産の食品は対象となっていません。このため、フランス政府はEUに対して、静岡県産の食品も対象に加えて検査を義務づけるよう求めていくとしています。フランス政府の発表について、静岡県の川勝知事は「放射性物質が検出されたのが本当に静岡県産の茶だったのかというところから、事実関係を急いで調査するよう関係部署に指示した。飲用にする場合、放射性物質は基準値以下になることが県の調査で分かっており、静岡の茶は安全だということを改めて強調したい」と述べました。