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[28247] 【ネタ】IS 君と歩く日々(オリ主+若干ニーア成分含む)
Name: スポンジぃー◆c6eabaf1 ID:3784297f
Date: 2011/06/08 08:09

とても小さな頃、私は空手を習っていた

私は身体を動かす運動が大好きで、鬼ごっこや駆けっこ、サッカーも男友達と一緒になって遊んでいた

遊んでる中、同年代で私に勝てる男子は一人もいなかった。それは習い事で行っていた空手も同じだった。

その事実がとても嬉しくて、私は天狗になってみんなを見下していた

少し時が立つと、何時も遊んでいた友達が急に余所余所しくなった

その事に腹を立てた私は、その友達と絶交だと言って放ち、その日から無視をするようになった

次の日になって、又一人私を避けるようになった。その事に腹を立てる私は、もう遊ばないと言った



次の日にはもう一人



次の日は三人



一週間もしない内に私は孤立した





その時になって過ちに気付いた






それでも私は、『皆弱いから集まってたんだ、強い私は一人でもやって行けるんだ』そう言い聞かせた



―――――言い聞かせなければ崩れそうだった


下らない奴らだと笑っていた。どうせ変えられないと放り出していた。所詮無理だと諦めていた。

愚かさと醜さを嘆いていた。もう何も戻らないと自らを嘲笑っていた…



そして孤独な日々が続く





そんなある日、親の勤めている会社へ見学する事になった


折角のお休みだったから新しく買ってもらったゲームをしようと思っていたのにと、愚痴を零しながら案内してくれる親の後ろを付いていく



『大切な事を見失っていた』『他人の優しさを信じられずにいた』『心を引き裂いた悲しみを救えずにいた』




その時、私はISのコアに出会った


親や会社員の人が私に何か説明してくれているが、耳に入って来なかった


ただ、話しかけたかった






そのコアに何かを感じ取ったからなのだろうか、それは今になっても判らないけど


『寂しいの?』


そう語りかけた




其れが私達の出会い






『孤独だった私に声を掛けてくれた』




             「独りだった私の言葉を聞いてくれた」




『あの暗闇から救ってくれた』




            『悲しみと怒り、嘆きに満ちていた心を鎮めてくれた』






       「『出会った日が私達を救ってくれた』」











その日から、私は休みの日には必ずあの子に会いに行った。


                     
                       私はあの子が会いに来てくれるのを待っていた




自分の周りで起こった事、悲しかった事、嬉しかった事、何でも話した




                      語りかけてくる声がとても心地よくて、何時までも続けばいいのにと願った




             「『あの子がいるから私は頑張れた』」







その日も工場に遊びに来て、受付のお姉さんが案内してくれた。

何を話そうかと思いながらあの子が待っている部屋に入った

何時もと変わらぬ光景が目の前に広がっていた。でも、少し違うのは、沢山の赤いペンキが飛び散っている光景と、とても大きい『お人形さん』の腕や足が辺りに散っていた事

部屋の真ん中に見た事の無い女の人が立っていて…手に持った何かを此方に向けていた。何か身体に衝撃があった事までは覚えている。








ソノアトナニガオコッタノカワタシハオボエテイナイ











『二度とこの子を傷付けさせないと、その時私は決めた』


『その身体が痛むのなら、せめて私の鎧で守ろう』


『その眼から光が奪われるなら、せめて私が眼になろう』


『その身体が重いのなら、せめて私の翼で空を駆けよう』


『傷付ける者がいるのなら、せめて…』






この心臓『コア』が壊れても

この記憶『データ』が奪われても

この命が果てるその時まで…






























[28247] 君と歩く日々 第1話
Name: スポンジぃー◆c6eabaf1 ID:de230da9
Date: 2011/06/13 20:12
沈ませた体から一気に空へと拳を振り上げる。

その一撃を背を反らすように避け、スッと後ろへ下がる女性

余裕の笑みを浮かべながら此方を見つめる女性

私の入学した学園の生徒会長、確か名前を「更識 楯無」と名乗っていた

その生徒会長殿に向かって一歩前に進み突き出した拳を脇に引き、そのまま身体を回転させるように相手の頭上から脚を降り下ろす

「っと」

半歩身体を右に移動させ蹴りを避け、瞬時にしゃがみ、流れるように追撃してきた裏拳を通過させてそのまま後ろへと後退

メキッという鈍い音を立て、砕けた床に突き刺さっている踵を確認して笑みを崩さないが内心冷や汗を流す

体勢を直し、両手を握り締めて顔の前でぶつけ合わし、砕けたんじゃないかと疑える音を立てて此方を見つめる一年生

やばっと呟き冷や汗どっと吹き出す

目の前に居る少女の近接戦の技術の高さに挙動と呼吸で先読みしなければ避けれない鋭さ、それと躊躇の無さがこの状況を作っているのだろう

はっきり言ってピンチだった

なんか面白そうな子が居るなと思って声を掛けて、そっけない態度で無視しようとするから悪戯してやろうと思って行動に移した瞬間、首と胴が離れそうな威力を持ったアッパーだ

(ええ~~、もしかしなくてもお姉さん危ないのに手を出したかな…)

此方を見つめる瞳は油断もせず相手の行動を見据えていた






相手を眼前に捉えながら、出方を伺う

妙に馴れ馴れしく声を掛けてくる先輩を無視して歩みを進めると妙な気配がしたので、先手必勝のつもりで顎を打ち抜くつもりだったが、難なく、余裕の表情で此方を見つめながら攻撃を避ける生徒会長殿

IS学園の生徒会長とは、学園内最強の称号 伊達ではない…か

初撃は予測さえ立てていれば避けれただろうが、死角からの裏拳を避けて、此方の攻撃が届かない位置まで移動、体格や最初の一撃での一発の速度を考慮しての行動

(よく…見てる)

ゆっくりと息を吐き、構えを解いていく

トン、トンッと小刻みに床から跳ねるよう身体を動かす


扇子で口元を隠し、訝しげに眉をひそめる生徒会長殿

リズムに乗るように跳ねる目の前の新入生

先程迄の地に足を付け、無駄なく一撃必倒を主にしたスタイルに対して、急にステップを踏み出す

トン、トトッ、トントン、トトン、

時折、フェイントを混ぜているのか、此方の踏み込もうとするタイミングをズラしながらも身体を弾ませる相手

(…覚悟を決めますか)

扇子を閉じて、久方ぶりに全力で挑もうと気を引き締める



そして……



「あの~、新入生の方は此方に集合してくださ~い」

気の抜けるような声が響く


ふぅ、と今までの緊張を息に乗せて吐く

見れば新入生も肩を落として構えを解いていた


「では、そういうことらしいんで」

ジトっと此方をみる瞳に苦笑いで返しながら、「ごめんね」と片手を顔の前で立てる

くるっと此方に背を向けて去ろうとするのを確認して気付かれないように深く息を吐く

(つ…疲れたぁ)

心の中で呟くと、何か思い出したようにピタリと止まる

顔だけ此方に向けるように振り向きを何かを呟いて再び歩み始める


去っていく背中に手をヒラヒラと振りながら、再度冷や汗が出てくる

「いずれ、また」

そう呟いていたのが耳に入っていた




新しい学校生活の始まりというのは、何時にも増して憂鬱になってくる

何がそんなに嫌なのかって?自己紹介が堪らなく嫌なのだ。印象を決めつけられたり、自分を知っている奴がいたりする。

特に後者は最悪だ 小さい頃の自分を知っている奴がいた場合、高確率で「あの人とは関わらない方がいいよ」と懇切丁寧に説明してくれる

余計なお世話だ

後もう一つ、自己紹介が大体最初の方なのも少しばかり関係してくるかもしれない

「え~っと、次は天野 叢雲(アマノムラクモ)さん?」

名前は流石にどうしようもないな






自分のクラスに男がいたのは覚えていたが、はっきり言って興味がなかった

けど、それが織斑千冬教師の弟らしい

その事のみに多少の興味が湧いた為、昼の休みにでも話し掛けて見ようと思いながら授業を聞く

今更の授業内容に多少退屈しながら、ちらりとこの学園たった一人の男子生徒を見る

机の上に突っ伏していた

どうやら、ISに関しての予備知識がまるで無いらしい

まぁ、男がISを起動するなんて普通は思わないし、小、中、高とISの知識を積み重ねていく女性と比べたら、出遅れてるどころの話ではないだろうからな

それでも知識の遅れを取り戻そうと努力するのは少し好感が持てるか…

吐き出す息で、噛んでいた風船ガムをプクーっと膨らませる

(…あ)

あんまりにも暇だったから、噛んでいたガムを膨らませてしまい、その姿を副担任の山田真耶先生に見られていた

(迂闊…)

既に涙目になっている先生にフォローを入れる

「これはニコチン配合のガムでして」

スパァンっと、いい感じの音が頭の後ろから響く

「フォローになっとらん」

そうですね

後頭部を擦りながら後ろを向くとこのクラスの担任である織斑先生が出席簿らしき物を持ち、此方を見ていた

ポケットティッシュに噛んでいたガムを包んでゴミ箱に捨てると其のままの足で教室を出ていく


小声で「廊下に立っていろ」と言われました

初日から最悪の印象だな



[28247] 君と歩く日々 第2話
Name: スポンジぃー◆c6eabaf1 ID:96ec10cb
Date: 2011/06/17 23:14
薄暗い部屋の中心に長身の人型が佇んでいた

首を振ると腰まで届く鈍色の髪が宙を舞い、ボンヤリと光る照明に照らされ、ギラリと刀のように鈍く輝く

人の頭程ありそうな拳を握り締め、一歩を踏み出す

ガシャリと音を立て床を踏みしめ、更に一歩前へと進んでいく

顔の前まで拳を上げて、掌を開いたり閉じたりしながら感触を確かめる

意識を集中させ自分の周辺から、部屋全体まで認識範囲を拡大する

宙に漂う埃や壁の染み迄数えれる程に拡大された感覚範囲を慣らしていく

問題になるようなことは無い

問題があるとしたら、私が使いこなせるかどうかだろう

そんな考えた浮かん事を鼻で笑い自嘲する

柄にもなく緊張しているのだろうか?

今更過ぎる

私が纏っているこの子が間違いなど起こす筈の無い事は判りきっている

私のする事はこの子を理解し、使いこなす。それ以外は余計な事

それでも、私はどこまでも未熟だから、きっと迷惑をかけることになるだろう

ああ、其れだけが本当に申し訳ない

鏡に顔を向けると




其処には…



「行こうか、■■■、銀獅子」



短刀を加えた獅子がいた











時は遡り、廊下に立たされていた私は一時間目が終了するまで廊下に立っていた

どうやら忘れ去られていたらしい、平謝りする副担任…山田先生に微妙な視線を送ると直ぐに涙目になっていた

この人は本当に歳上何だろうか?大人というより子供が背伸びをして大人ぶっているような気がしてなら無い

其れはさておき、教室に入る際に嫌な視線が幾つか突き刺さる。

クラスの連中…恐らく三人程、顔は覚えていないが、察するに私の前評判を知っているか、体験しているかのどちらかだろう。

ああ、面倒くさいな

ゲンナリしそうだったが、もう一つの視線が気になった為、そちらへ顔を向けると



担任の織斑教師が此方を見ていた。いや、睨んでるか…


出席簿で叩かれた時に気付かれたのだろう、感触違和感だけで気付くとは、流石、織斑千冬先生

新しい学校生活がどんどん憂鬱になっていくな

まぁ、生まれてから友達と呼べたのは後にも先にも一人だけだけれども

人付き合いは苦手だ

其れでも、確かめたい事があるから教室にわざわざ入ってきたのだ

自己紹介の時間以外に一々相手の疑問に答えるのも面倒だし、さっさと片付けよう。

早足で教室のドアを出ていこうとしていた担任へと向かいその正面に立ち、相手の顔を見る

何処までも真っ直ぐな視線で此方を射ぬくような視線を向ける織斑教師

流石の迫力だった。視線だけで屈服してしまいそうな圧力を感じたのは始めてだった。けれども物怖じするのは矜持に反する

一度拳を握り締めた後、掌を開く

「何か?」

それだけの言葉を絞り出すのに、精一杯だったが、負けたくはなかった

目を反らしたら、戦わずに負けたようなものだ。自分の意思も貫けない奴が強くなれるかと、相手の顔を真っ直ぐ見つめる

そしたら何かが以外だったのか、驚いたのか、目を数度パチパチと瞬きすると、ふっと微笑を漏らす


正直女の私も見蕩れる程、綺麗な微笑に頭が真っ白になりかける

その隙を取られたのか目の前に織斑先生の手が此方へと迫ってきていた

反射的に少し後退り、何かに耐えるように身を固くする


織斑先生の手はゆっくりと私の頭に添えられ、クシャリと頭を撫でられた。

「……?」

いつの間にか瞑っていた目をおずおずと開いて正面を見ると

先程と変わらず……いや、少し可笑しそうな成分を含んだ笑みで此方を見ていた

「すまなかったな」と、短い謝罪と共に手を離す

撫でられたあたりがむず痒くなってきて頬を掻くと

「あたッ」

ピシッとデコピンされた

授業中にガムを噛むなと言い残して、教室を出ていく担任教師

(……?)

釈然としないがどうやら認められた?

(何だったんだろう? )

ヒリヒリと痛む額を押さえて、 扉を見つめる

何だかよく分からないが、それでも不思議なことに

(悪い気はしないな )

久し振りに心が温まったような気がした





話しかける切っ掛けが掴めず3時間目に突入していた。二時間目の間、休み時間に話しかけようと思ったのだが、イギリスの代表候補生…セシリア・オルコットだったか?が、織斑一夏と話し込んでいた。何を話していたのかは知らないし、興味も無い。

三時間目開始のチャイム音が鳴り響く、次の授業の為に用意しておいた教科書類とノートを開く、人差し指と中指でシャーペンを摘まむように持ち、弾くように回転させる。人差し指の先でクルクルと回るシャーペンを見詰めながら授業の始まりを待つ、扉を開けて入って来たのは織斑教師だった

授業の内容は実戦で使用する各種装備の特性について、実を言うと、距離で武装を替える戦闘方法は苦手だ

性分なのか、火器の扱いはどうにも慣れない

(…いや、慣れようと思えないだけか)

人差し指の先で回転しているペンを掌に収める

「……再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

そんな言葉が耳に入ってきた

(クラス代表ね…)

柄じゃないが、其れでも戦う機会が増えるのなら……

(どうするかね…)

あまり使う機会の無いISを存分に使える事はそうないだろう。特に『私が使用できるIS』は特殊な部類に当たる。自分が何処まで戦えるか、どう運用していけるか試す機会が増えるならいいかも知れないが…まぁ、認めない奴等が多そうだし、何とも難しいな。

と言っても、文句を言う奴等を叩き潰して行けばいいだけか…


「決闘ですわ!」


考え込んでいたら、何か揉めていた



イギリスの代表候補生が他者の推薦で選ばれた織斑一夏に異議があり、男がクラス代表は恥やら、クラス代表は実力トップがなるべきだと、ま確かにこのクラスでのトップは、セシリア・オルコットで間違いはないだろうが…そこまで熱くなることでも無いだろう

遂には「決闘ですわ!」と挑戦を叩きつけていた

「他には誰か居ないのか?」

一連の騒ぎに多少うんざりしている様子の織斑教師がクラスに呼び掛ける

折角の機会、無駄にするのは勿体無いな

気後れもなくスッと真っ直ぐ手を上げる

「天野叢雲、立候補します」

教室中の視線が一斉に此方を向いた


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