浜岡5号機海水流入トラブル 復水器細管43本損傷(6/18 07:29)

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)5号機の復水器に海水約400トンが流入したトラブルで、中電は17日、復水器内で海水が通る直径約3センチの細管43本が損傷、2本が変形していたと発表した。損傷状況などから破損箇所の前面付近にある直径約20センチの再循環配管のふたが落ち、配管から噴き出した水が細管に当たって損傷したと推定している。
 中電によると、再循環配管のふた(重さ約3・5キロ)と配管の溶接付近が破断していた。調査した結果、溶接時の初期欠陥が見つかった。溶接は2001年3月に行ったという。5号機の別の再循環配管も調べたところ同様箇所に溶接の初期欠陥を確認した。中電は溶接時にできた欠陥が使う中で損傷が進み、破断に至ったとみている。
 復水器はタービンを回した蒸気を冷やして水に戻し、再び原子炉に送る機器で、約2万1千本の細管が通っている。再循環配管は復水器から原子炉に送る水の一部を途中で復水器に戻す配管。原子炉の起動や停止時にのみ水が流れ、ふたには約3気圧の水圧がかかるという。ふたが外れた後、2時間ほど水が噴き出していたとみられる。
 中電は、今回のトラブルで約5トンの海水が原子炉内に入ったため腐食を防ぐ脱塩作業を実施し、「原子炉系は海水流入当初の100分の1以下まで塩分の除去が進んでいる」(広報担当者)という。海水は原子炉格納容器内の圧力抑制室などにも流入したとみられる。
 今後は6月末をめどに詳細な原因を特定し、本年度中に原子炉やタービン系の海水の除去作業を終える見込み。

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先端から水が噴き出したとみられる再循環配管のふた。溶接部分付近が破断していた(中部電力提供) 

ふたが脱落した再循環配管。(中部電力提供)

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