政府と自治体の代表が地方に関わる政策について幅広く話し合う「国と地方の協議の場」が13日、官邸で開かれた。この「協議の場」が法制化されて初めての開催だ。
これまでも国と地方が意見交換する場はあった。しかし、全国知事会や市長会など地方側が自らの意見を述べるだけで終わる場合が多かった。そこで、知事会などは政府が「聞き置く」だけの協議の場を、法律に基づく正式な機関にすることを自公政権時代から要望してきた。
今国会でようやく法制化が実現した。民主党政権が掲げる地域主権改革の柱となる法律でもある。
法律では協議内容について国会に報告することや、合意した点については国、地方の双方が尊重することを定めている。教育や福祉など政策の多くは国が制度を設計し、自治体が実務を担っている。国の政策を正式に決定する前に、両者がひざを詰めて話し合うのは当然だろう。
初会合の主題となった社会保障と税の一体改革についても同様だ。介護保険や国民健康保険は市町村が運営しているし、子育て関連の施策も大半を自治体が担っている。
国、地方の両者に求めたいのは社会保障を効率化する視点だ。政府の改革案は低所得者の長期にわたる高額医療費の負担軽減などが並ぶが、IT(情報技術)を活用した医療費抑制などは踏み込み不足だ。
乳幼児や子どもの医療費助成制度など地方が独自に実施している施策も含めて、優先度が高い政策は何か、改めて検討すべきだろう。
政府の改革案では2015年度までに消費税率を5%引き上げる必要性を強調している。高齢化に伴って地方が負担する経費も膨らんでいるので、地方の首長の間でも消費税の増税には理解を示す声が少なくない。増税はいずれ避けられないが、国、地方の双方がまず、効率化に踏み込むことが大前提である。
社会保障全体について国、都道府県、市町村の役割を見直すことも必要だ。介護や医療はもとより、生活保護から保育所の運営まで日本の制度は国と地方がそれぞれ一定の割合で費用を負担している場合が多い。
その分、それぞれの責任が不明確になっている。役割を再検討したうえで、必要な費用に見合う税財源を配分し直すのが望ましい。
法制化したのだから、一回開催して終わりというのではだめだ。今後、どのように合意点を見つけるのかが重要になる。将来的に安定した社会保障制度を作り上げるためにも、繰り返し話し合ってほしい。
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