◆「機能高め街を維持」
小畑大館市長
中心街への投資で質疑
大館市の6月定例議会は14日、2委員会で総括質疑を行った。建設水道委(小棚木政之委員長)は、中心市街地の活性化について質問が集中。大町や御成町への投資の必要性を問われた小畑市長は、「民間投資も誘導して都市機能を高め、それを保っていくためだ。地域の高齢化を考慮して整備を進める」と答えた。
大町に建設中の市営住宅は9月から入居開始予定。まちなか居住で、にぎわい再生が期待される一方、旧正札ビルの一部を解体して整備したハチ公小径は、飲食ブースを開設したが、大震災の影響などで客足は伸びていない。
委員からは「費用をつぎ込んでも、市民の理解は得難いのでは」「投資する効果を検証する必要がある」などの指摘が相次いだ。
小畑市長は「公共施設などを中心街に集中させることで、都市機能を維持できる。大館の顔であり、文化の中心。基盤整備は人口流出の防波堤にもなる。決して大町だけのためではない」と答弁。
さらに、御成町南地区の土地区画整理事業も含めた都市計画について、「公共投資だけでなく、民間投資も集中させて互いに都市機能を高め、中心街の土地を利活用することも都市として生き残る戦略のひとつ。今後は高齢者が歩いて暮らせる街にしないといけない」と述べた。
樹海ライン沿いに商業施設が集積し、道路の渋滞が目立つことに関して、「樹海ラインと平行する南側の道路も必要になると思う。計画は内々に検討しており、まだ田んぼのうちに先行的に整備したい」と渋滞解消に早急に取り組む姿勢を示した。
市役所本庁舎の耐震化については、「自分の代での建て替えは財政的に難しいと思う。安心して、避難場所としても使える、一定の強度がある庁舎が必要。現庁舎を補強するのか、ほかの公共施設や市有施設を活用するかを検討している」と述べた。 |

リニューアルオープンする志張温泉元湯 |
◆「名湯」16日に復活
鹿角市の志張温泉元湯
八幡平の戸舘さんが再建
鹿角地方のホテル・旅館が東日本大震災に伴って観光客の減少で苦戦を強いられている中で、3年前に経営破たんし閉鎖された八幡平温泉郷の「志張温泉元湯」が、16日、営業を再開することになった。市内八幡平字松館の戸舘忠さん(72)が施設と土地を買い上げて再建した。八幡平温泉郷の活性化につながればと思っている。
国道282号の同温泉郷玄関口にある志張温泉は江戸時代の開発といわれ、アトピーなどの皮膚病に効能がある湯治場として全国に知られるようになった。
戸舘さんは、昨年10月、公売に出された同温泉をインターネットで見つけ、自費を投じて取得した。同温泉は盛岡市で物産会社などを経営していた男性が、子会社の経営悪化から2008年に自己破産した。地元に元湯のファンが多く、惜しまれての閉鎖だった。「古くからの名湯。このまま消えるのはもったいない。鹿角人の手で復活してみたかった」という。
今年4月のオープンめざして母屋を改修していたが、東日本大震災を受けて資材調達が困難となり、2カ月遅れで開業にこぎ着けた。以前の元湯のイメージを損なわないように浴場や1、2階合わせた宿泊10部屋の場所は、そのままで改修、好評だった鉱泉(18リットル)の販売も復活させる。
一方で、新たな温泉の目玉にオンドル(温泉熱)の休憩室40平方mを新設した。米代川の支流である熊沢川沿いにあり、周囲を原生林と杉木立ちに囲まれた元湯周辺に延長800mの散策路や利用客のそば打ち、山菜採り体験も計画中だ。
八幡平温泉郷は、オートキャンプ場近くの東トロコ温泉が2年前に休業し、事実上の廃業状態。付近の赤川温泉、澄川温泉は平成9年に発生した土石流災害で消滅してしまった。八幡平温泉郷の古参「志張温泉元湯」を復活させた戸舘さんは「地元の人に愛される温泉経営で、温泉郷を活性化したい」と胸を膨らませている。
16日、午前10時に営業を再開する。問い合わせは同元湯(電話0186・25・8188)。 |

トンブリの定植作業(比内町独鈷) |
◆収量回復に期待を込めて
大館市比内町
トンブリの定植が盛ん
大館市比内町で特産のトンブリの定植作業が盛んに行われている。昨年は高温による虫害で例年に比べて収穫量が半減した。農家は「例年並みに回復してくれれば」と期待を込め、作業に汗を流していた。
プチプチとした食感が特徴のトンブリは「畑のキャビア」と呼ばれている。比内地区は全国有数の産地で、年間の販売額は1億円を超えていた。
昨年は高温の影響で収穫期目前の8月に、シロオビメイガが大量発生し、幼虫に葉が食い荒らされて収穫が大きく落ち込んだ。
定植作業は機械が主流だが、手作業で行っている農家もいる。独鈷の圃場で定植作業をしていた女性は「昨年は虫害で収穫が半減し赤字になった。今年はせめて例年通りに回復してほしい」と願いを込め、ていねいに作業していた。 |
◆貴重な経験を共有
北秋田市消防
被災地援助隊が活動報告 |
◆がれき処理の支援を
県と県産廃協会
受け入れ態勢の構築へ |
◆詳しくは本紙を御覧ください◆ |