【中電社長、一問一答】 2011.6.17掲載(6/17 07:57)

「再開」地元理解が前提 
 名古屋市の中部電力本店で16日、静岡新聞社の取材に応じた水野明久社長は、浜岡原発(御前崎市佐倉)の早期再開に意欲を示す一方、海外での非在来型天然ガスの確保に高い関心を示した。

 ―浜岡原発の運転再開に向けた流れは。
 「総合的な津波対策を終えたら地元に説明し、理解を得た上で動かす。防潮堤設置などの中長期対策に加えて、まだほかにやることがないか検討もしている。当初は2、3年後と言っていたが、できるだけ短縮できるようにしたい」

 ―4号機のプルサーマルと6号機の新設が予定されている。
 「言える段階ではない。3〜5号機の停止は大きな負担で、経営としては運転を再開させることに全力を挙げる。計画は白紙ではないが具体的な進展は難しいだろう」

 ―原子力発電に対する考え方は。
 「必要性は変わらない。日本は資源をほとんど海外に頼っている。量と価格の両面で、将来的に化石燃料をどのくらい安定して確保できるかは分からない。セキュリティーの問題。原子力、火力、太陽光など全体のエネルギーをどういう割合でミックスしていくかは、国の政策を踏まえて検証していくことになる」

 ―コールベッドメタンなど非在来型天然ガスの事業に積極的に関わっている。
 「現状ではカタールからの天然ガスの供給がかなり多く、供給地の分散化を頭に入れている。非在来型ガスは今後、従来の天然ガスに対抗する可能性もあり、大変関心がある。ガスの種類や供給国を分散させて、いかに安定的、経済的に購入していけるかを考えていく」

 ―関西電力などは15%の節電目標を掲げた。目標値を示さない理由は。
 「夏の場合はピーク時間帯の使用電力が重要。一律に何%と示して抑えるのではなく、平日の午後1時から4時と、ターゲットを絞って節電を強くお願いしている。体調を崩すほどの寝苦しい夜にエアコンを我慢する必要はない。こういうメッセージの方が伝わりやすい」

 ―浜岡原発の停止で、地元には雇用や地域経済への打撃を懸念する声もある。
 「定期検査はやるし、停止中だからできる工事もある。津波対策の工事だけでなく、計画していた作業を前倒しすることもある。運転中と比べて打撃になるようなことはないように配慮する」

(浜岡原発問題取材班)



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