ピュアなところに戻ると、やっぱり人って、もっと笑っている生き物なんじゃないかと思ったんです
―私は、今のYUKIさんが今作に込めた、喜びを外に向かって歌にして、波動にしたいっていう気持ちが、一過性のものではなくて、これからもずっとご自身の中にしっかりある、芯になっていくような気もするんですけど。
YUKI:でもそれはきっと、私が生まれた時から根本的にそうなんだと思います(笑)。やっぱり人には、生まれながらの何かがあると思うんですけど、きっと私は、生まれながらに楽観的であり、生まれながらに笑いたいんだと思います。人って、赤ちゃんの時はみんな基本的に機嫌が良くて、でも成長過程では色々なことがあって、不機嫌さを人に見せてみたりとか、自分は世界一不幸だと思ってみたりとか、そういうポーズだったりアピールだったりが生まれてくると思うんですけど、もっとピュアなところに戻ると、やっぱり人って、もっと笑っている生き物なんじゃないかと思ったんです。
例えば辛い状況の中にいたとしても、その中でもなんとか楽しく生きようと工夫するだろうし、人はもっと強いものだと思うんですよね。だから私は自分でも、結構強いのかも、と思うんです。それに、強くなったほうが楽しいと思ったから強くなってきたし、人を許したり、自分を許したりするほうが楽しいんだと気付いてきたから。怒りのパワーではなくて、笑いやジョークの大切さとか、ピンチの時の乗り切り方とか(笑)、そういうことがだんだんスキルとして身についてくるんですけど、でもやっぱり基本的に私は、きっと楽しくいたい人間なんだろうなと思います。
―ではYUKIさん本来の楽しさや明るさで歌ってる感じなんですね。
YUKI:そうだと思います。だからこそ無理がないんです。
与えるでも奪うでもなくて、与え合うことが大事
―例えば“プレゼント”という曲では、「ステージを前にして あなたにもできるよって 歌うようなイメージ」と、かなりストレートなメッセージを書かれていて。「満たされた」「これはビジネスじゃないわ」という言葉も印象的ですが、この曲にはどんな思いが込められているんですか。
YUKI:プレゼントとは本来、与え合うものなのだと思うんですけど、欲しがるばかりの人が多すぎるなと思うんです。愛されたがって、欲しがって、全然もらえなくて悔しくて、「なんで私ばっかり?」とか、「こんなにしてあげてるのに何もない」とか。欲しがるばかりになってしまう人って、「何がそんなに苦しいんだろう?」って。
―YUKIさんはそういう葛藤がないんですか?
YUKI:ないですね……というより、なくなりましたね、そういえば。誰かにイライラするようなことがあっても、その人の嫌なところを変えようとか今は思わなくなりましたし。その人はその人でいるだけであって、自分がイライラしなければいいんだということに気が付いて(笑)。それに去年は私が、周りにいる人に対して「よし、これはいいことなんだ」「今やるべきなんだ」と思ってやっていたことが、結局は自己満足にどっぷり入っていたことがあって。その人から何の見返りもないことに対して「あれ? 私はやっぱり何か見返りを求めているのかもしれないな」と思ったことがあったんです。その時に、「あぁ、そうか。そういう風に思うことって苦しいな」って。
やっぱり何かをしようとした時は、与えるでも奪うでもなくて、与え合うことが大事なんだと思ったんですよね。それはモノとかではなくて、例えば「ありがとう」という言葉を与え合うだけで嬉しくなって、気持ちが良くなる。だけど、たとえ「ありがとう」という言葉が返って来なかったとしても、自分が「良かったな」と思えばいいわけで。みんなは自分と違う人なんだということを、もっともっとわかっていくと、毎日もっと快適な時間が増えるなと思ったんです。私にはそんなにたくさんの時間がないなと思うので、だったらもう快適な時間だけのほうがいいんです(笑)。それはやっぱり、自分を許すことで、その人も許すことなんだなと思ったんです。
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