韓銀総裁、家計負債増大に警戒心を強調

 韓国銀行(中央銀行)の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は17日、韓銀本館で市中銀行の銀行長(頭取)との金融協議会を開き、家計負債の増大など現在の金融情勢について「経験的に見て、危機が訪れると予想していて、それを防げなかったことはなく、世界的な金融危機のように、危機ではないと考えていたことが危機になった」と述べ、警戒を促した。会合には十大市中銀行の代表らが出席した。

 会合では家計負債の増大問題が主要議題となった。世界的な金融危機で主要国が家計負債を減らしたのに対し、韓国は依然として、家計負債を削減できずにおり、積極的な対処が必要だとの意見が交わされた。ただし、一部の銀行長は、経済規模に比べれば家計負債は高いとは言えないとして、家計向け融資が不良債権化する可能性は高くないとの見方を示した。

 これに対し、金総裁は米経済学者のロゴフ、ラインハート両氏が著した『国家は破綻する』(原題・This time is different)を引用し、「この本は当局者が『今回は大丈夫だ』と言っていて、危機に直面したことを批判している」と述べ、金融当局が危機を直視する必要があると強調した。

 また、金総裁は「バブルは始まるまではバブルではないという言葉がある。最近メディアや政府が家計負債の話を取り上げるが、過去と比べどこまでがいわゆる危険水準なのか判断するのが容易ではない」と指摘した。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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