浄化設備本格稼働 重い課題も
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浄化設備本格稼働 重い課題も

6月18日 4時24分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所では、高濃度の汚染水を浄化する設備が17日夜から本格的に稼働を始めました。浄化した水を原子炉の冷却に用いる計画も併せて動きだすことになる一方で、大量の放射性物質が濃縮された廃棄物をどう処理するか、重い課題が残されています。

福島第一原発では、原子炉から漏れるなどして増え続けている高濃度の汚染水への対策として、放射性物質を取り除く浄化設備が17日夜から本格的に稼働を始めました。浄化された水は、18日にも原子炉の冷却に用いられることになっていて、17日公表された事故収束への工程表で当面の対策の柱とされた「循環注水冷却」の計画が動きだすことになります。一方で、世界でも例のない浄化設備を動かすには課題もあり、例えば津波の影響で海水や油なども混じった水を計画どおり一日に1200トンのペースで処理し続けられるかは未知数となっています。この浄化設備が動かなくなると、汚染水の問題や原子炉の冷却で再び難しい対応を迫られることになり、いかに安定して稼働させられるかが事故収束へのカギとなります。さらに深刻なのが浄化の処理によって大量の放射性物質が濃縮される廃棄物の問題で、その量は、年内だけで少なくとも2000立方メートルに上るとみられます。東京電力は、当面の間、放射性廃棄物専用のタンクなどで保管する計画ですが、最終的な処分の方法は今の法制度では想定されていない問題で、今後、政府も含めてどう対応していくのか、重い課題が残されています。