2011年6月17日22時3分
東京電力は17日夜、福島第一原子力発電所内に大量にたまった高濃度の放射能汚染水を浄化する装置の稼働を始めた。浄化した水を再び原子炉内に戻し、燃料を安定して冷却する「循環注水冷却」に欠かせない装置。だが、浄化装置は試運転で相次いでトラブルを起こしており、稼働後も運転が順調に続くかどうかは未知数だ。
東電は18日にも、循環注水冷却を始めるとしている。循環注水冷却が動き出せば、事故収束の工程表で示した「安定的な冷却」を7月中旬までに行うという目標を期限通り達成できるとしている。
原子炉の安定した冷却の実現と、外から原子炉に注水することで増え続けている放射能汚染水の処理は現在、事故を収束させるための最大の課題だ。循環注水冷却は、タービン建屋などにたまった高濃度の放射能汚染水を利用して、原子炉の燃料を冷やす仕組み。東電は、この仕組みが動くと両方解決できるとしている。
東日本大震災で原発の「安全神話」は崩れた。北海道にも、道内の約4割の電力を供給している泊原発がある。防災対策はどうなっているのか。対岸で建設が進む青森・大間原発と、どう向き合うのか。