南京事件FAQ

Q5
 南京事件は長崎と広島の原爆を正当化するために東京裁判で持ち出されたのだ。原爆による死亡者は30万人だから、南京事件も30万人としてとアメリカは原爆投下を正当化したのだ。


A5.事実 

(1)原爆による死亡者は10万人。
 原爆による死亡者は以下に示すように東京裁判の時点で、広島と長崎を合わせても10万人にしかならない。 

広島 7万8150人 1945年11月末広島県警調べ
長崎 2万3753人 1945年11月25日長崎市調査
「戦史叢書 本土防空戦」P642,P649

 死亡者が10万人なのだから、南京事件での虐殺数を30万人にすると釣り合わなくなります。
 原爆を正当化するために南京事件での虐殺を30万にする論理が成り立ちません。

(2)東京裁判での判決は20万人
 東京裁判では南京事件の虐殺数を30万としていません。
 起訴状では数万人であること以外は詳細は不明と記述され、判決文では20万人と書かれています。どちらも30万人ではありません。 

 1937年(昭和12年)12月12日及びその後引き続き、本件訴因第二記載の条約条項に違背して南京市を攻撃し、且つ国際法に反して当該住民を虐殺することを日本軍に不法に命じなさしめ,且つ許すことにより,不法に、目下其の氏名及員数不祥なる数万の中華民国の一般人及び武装解除せられたる軍隊を、殺害し殺戮せり。
(中略)
 訴因55

 当時日本国の権力下にありしこれら諸国の俘虜及び一般人に関し、上記条約及び保証並びに戦争法規慣例の尊守を確保する責任を有するところ、故意にまた不注意に、その尊守を確保しその違背を防止する適当なる手段を執るべき法律上の義務を無視し、もって戦争法規に違反せり。
          東京裁判起訴状「日中戦争資料集8」所収p13
 後日の見積もりによれば、日本軍が占領してから最初の6週間に、南京とその周辺で殺害された一般人と捕虜の総数は、20万以上であった事が示されている。
          東京裁判判決「日中戦争資料集8」所収p396

(3)原爆を正当化する必要がない

 東京裁判は、第二次大戦に勝った連合国が敗戦国である日本を裁いているのですから、連合国(アメリカ側)が原爆を正当化する必要は全くありませんでした。そんな事はそもそも裁判の争点として取り上げられる訳がないからです。


ポイント
(1)原爆の死者は10万人。
(2)起訴状でも判決でも南京事件の虐殺数は20万人。
(3)アメリカは東京裁判で原爆を正当化する必要はなかった。