2011年4月20日 23時39分 更新:4月20日 23時50分
東京電力は20日、福島県内各地の避難所で、福島第1原発事故に伴い避難した住民に当面の生活費として仮払いする補償金の申請書配布を始めた。事故から1カ月余りが過ぎ、被災者からは「対応が遅い」などと怒鳴り声が飛んだ。
補償金は、国の避難か屋内退避の指示が出ている原発半径30キロ圏内の世帯などが対象。住民票に基づいて1世帯当たり100万円、単身世帯は75万円を支給する。
避難所になっている郡山市のイベント会場「ビッグパレットふくしま」では、配布する社員に富岡町民が「家に帰れない。どうしてくれるんだ」と詰め寄る場面があった。
同町本岡、介護士、清瀬祐弥さん(29)は「新学期から長男を幼稚園に入れたかったが、避難先の近くに私立しかなく、お金がなくて入れられなかった。もっと早く手続きを始めてほしかった」と批判した。
同町上手岡、無職、猪狩友代さん(56)は「同居の長男家族は乳児がいるので東京都内に引っ越し、2世帯に分かれることになった。でも支給は1世帯分。避難生活で物入りなのに」とこぼした。
補償金の問い合わせは東電カスタマーセンター(電話0120・995・002か006)。【蓬田正志】