2011年4月20日 20時43分
大手を中心とするインターネット接続事業者(プロバイダー)が21日、児童ポルノ画像のブロッキングを開始する。実施プロバイダーは9社となる見込みで、児童ポルノ画像について、ユーザーの接続を強制的に遮断し、閲覧防止の措置を講じる。【鮎川耕史】
ブロッキングは原則として、削除要請があるにもかかわらず、サイト管理者が削除していない児童ポルノ画像が対象。アドレスリスト作成管理団体が、画像を掲載しているサイトのリストをプロバイダーに提供する。
今年3月、児童ポルノ流通防止対策専門委員会が、民間団体「インターネットコンテンツセーフティ協会(ICSA)」をリスト作成団体に選定。プロバイダーが比較的安価に導入できる「DNS」方式を採用し、実施への準備を進めてきた。
9社の、ネットユーザー全体に占めるシェアは5割を超えるとされるが、未参加のプロバイダーが「抜け道」になるおそれがあるため、事業者の参加を拡大することが課題だ。ICSAは「ブロッキングの有効性を高めるため、今後も事業者に参加を呼びかけていく」としている。
ブロッキングは子供の権利保護を目的とし、昨年7月、政府の犯罪対策閣僚会議が民間の取り組みを促す環境の整備を決めた。ICSAはプロバイダーや検索事業者などが主体となり今年3月に発足。4月初旬にブロッキングを開始する予定だったが、東日本大震災の影響で延期になっていた。
【ことば】児童ポルノ流通防止対策専門委員会
有識者や弁護士、医師、ネット関連事業者、子供の権利擁護団体の関係者ら24人で構成。警察庁、総務省など政府機関もオブザーバーとして参加している。昨年12月に発足し、児童ポルノ判定基準の承認など、アドレスリスト作成管理団体の業務全般を監督する。