いままでありがとうございましたの巻
2011年6月11日 土曜日 15時28分 by 某婿
どーもどーも お久しぶりでございます。
やっと落ち着きました
今年初めてのブログですが
いきなりお別れの挨拶です。
婿です。
いまさらと思うかもですが、津波にやられたウチの街です↓
左の小山、地震と津波で崩落したんすよ・・・・
まあ道路があるだけまだマシになりました
田んぼは津波にやられませんでした。
だから大丈夫かなと思いきや、まさかの原発アタック
このブログでも、
いわきに住んでます、いわきの米うまいっす、いわきの米買って下さい
とやっていた婿です。
もしやと思っていた方。
ビンゴです。
そしてウチの街は今こう呼ばれています 「最果ての街」
国道6号線
行政、経済機能が維持されている最北の街だからです。
だからウチの家も田んぼも当然のように30km圏内
そんな婿の近況
ウチは規模が大きめなので、毎年、播種は4月5日、10日、15日と3回に分けてやっていたのですが、
今年は義母と議論して議論して議論して
作付を自粛することにしました。
理由は3つ
そもそもなぜ作付を議論する余地があるのかというと、4月23日、いわき北部は緊急時避難準備区域から外れ
30km圏内でも作付にGOサインがでました。
当時、作っても大丈夫なのか、土壌調査はしたのかと問い合わせた婿に対する農協や市のコメントは
「土壌調査はしてない(ウチの地域)けど大丈夫です。制限が解除されたので作ってください。」 でした。
(その時点で土壌調査されていたのは、あの広いいわき市でたった4か所)
作って、汚染されていたらどうなるのか、その買い取りに関しては責任を持ってくれるのかという問い合わせに対する返事は
「わかりません。あくまで自己責任で」 でした。
作らなかったら補償はどうなるか?と聞くと、対象になりませんという返事
要するに、
作んなかったら補償ナシな、だけど作っても俺たち知らねえから
でした。
どこの剛田さんとこの息子かと思いました。
理由1、作らなかったら0、作ったら赤字、だったら0のほうがマシ
このあたりの播種限界時期は4月25日と言われておりまして
4月23日に作付制限解除され、それから避難先から帰って、もみを買って、土を買って、箱を洗って、ハウスにビニールをかぶせて
ハウス内の草を刈って、整地して、機械を整備して、保温機を組み立てて、調整して、1700枚の苗箱に種を撒き切る
これらの作業を2日間で終わらせるのは無理でした。
理由2、時間的に無理ッス
そして3つめ、最後の理由
これが婿の中で一番大きな理由でした。
汚染されてないかもしれない、だけど汚染されてるかもしれない
そんな嫁に食わせたくない米を人様に売るわけにいかねぇっつーの
汚染されてる米が万が一流通ルートに乗っちゃったら、責任とれないです。
他人の健康を害するかも知れない米を売ったお金で生活する。
それは無理、無理っすわ
農家にだってプライドありますし、そんなもん出すくらいなら補償0のほうがマシじゃボケっ!
っつーことで今年は作付を断念
というか、廃業することにしました。
ここから下は愚痴&廃業理由
いわき市は一応商業地域でありまして、
行政の上の人達は避難地域に指定されなかったことで万歳してる感じです。
汚染されていたら困るわけですね、風評的に
だから、作付制限解除だけを前面に押し出して、いくら頼んでも要請しても
土壌調査にも来てくれないし、線量測定にも来てくれませんよ
数字が出ちゃうと困るんでしょう
だから頑なに動かない
今日、義母が興奮しておりました。
ウチの村のホットスポットらしき場所にある家の雨どい
180μSv/h
ですってさ
市も農協もなーんもしてくれないから、高価でちゃんとした線量計を業者さんから借りてきて
自分たちで測った数値です。
1日いたら年間被爆量超えるんスけど
周辺は2〜3μSv/hだそうですよ
普通に飯館クラスなんですけど
そしてウチの裏山↓
いえーい 1.48μ
これは高価な機械ではなく、個人で持ち歩く簡易タイプをお借りして測りました
ちなみにこの時の最高時は撮ってないですが 2.61μ
山マジパネェ
その山に植えた梅はダメだなコリャ
まあ、国のみなさんは、そんな土地で土壌調査もせずに 「作物を作れ」 と言ってきているわけで
正直、頭がおかしいとしか言いようがないですね
ウチの市長も仕事してないですし
そんなこんな、なんもやってくれないので
集落みんなのお金で、数十万かけてこの村の土壌調査をすることになりそうです。
今日、今、担当の委員会が開かれています。
明日は村の委員会が実行方法について決定する予定です。
ビックリしましたか?
3ヶ月たつのに、いくら要請しても行政が全く動かないので
地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちが田畑整備のために集めていたお金を使って土壌調査です。
業者の人に入って来てもらって線量測定です。
情けな過ぎて笑うしかないですね
ともかく、そんな土地で作付が許されています。
そう、いわき北部は、今年日本で一番原発に近い米所です。
そんな米、みなさん買いますかね?
買わないのが当然です。お子さんがいる家庭ではむしろ買ってはいけない
がんばろう福島?
安全で美味しい?
商品を買うことで支援?
クソ喰らえですね
福島県民が福島産買ってないんですよ?
こっちの直売所なんか下手したら以前の10分の1とかでしょう
スーパーだって福島県産の野菜、安すぎ、そして残り過ぎ
そして、流れぶった切りで申し訳ないですけど、会津地方はほとんど大丈夫かと勝手に思ってます。
なぜなら、フツーに関東より線量とか低いし、山脈最強です
そのかわり、山脈手前の郡山は悲惨なことに・・・
話を戻すと
どいつもこいつも無責任に過ぎます
風評被害ではなく実害だということになぜ気付かないのか
きちんと細かく丁寧に線量を計測して、
最低でも田畑1枚ごとの土壌調査をして、
出来た作物も検査して
ある程度の期間統計を出して
それらのデータを余さず公表して、誰でも閲覧できるようにして
それではじめて「安全です」でしょう
空間線量も測りに来ない、土壌調査にも尻ごみしてる
作物検査だって、民間の抜き打ち調査でスーパーに並んでいる商品からとんでもない数字が出てる
連続的データもなければ、データは「国民に公表するという発想が無かった」という名目の隠ぺい
今やってる土壌調査もどこまでものかわかりません
なぜなら、彼らは地表5cm〜15cmの土をもっていくから
まだセシウムは1〜2cmくらいしか沈着してないと学者さんが言ってんのに
5〜15cmの土を持っていくことにどれだけ意味があるのか
他の地域の知り合いの話ですが、その人の田んぼから県が土壌調査名目で土を持って行ったそうです
結果は134、137、合わせて4000ベクレルほど
深いところから持って行くもんで不安に思って0〜5cmの土を自分で採取し、検査を依頼しました
結果は35,000ベクレル
濃い部分だけなので、撹拌するともう少し数値は下がるでしょう
だけどどう思いますか
これが現在の福島県の現実です
どこがどうやったら大丈夫と言えるのか
買うのは自由、食べるのも自由です
買う人、食べる人には素直にありがとうございますです。心の底から。
しかしながら
福島の作物を買うのが支援で良いことで
それを否定する人は神経質で良くないこと
そんな風潮、こんな風潮を作りだそうとしている人達
心の底から反吐が出ます。
そしてこのブログを見ている方々に少しだけ安心材料を
いわき北部、元30km圏内では、作付制限が解除されたにも関わらず
ほとんどの農家が自粛、(若しくは自分のところで食べる分だけ)してます
しかし、一部では作付はなされています。
秋、検査の結果、どうなるかは知りません。
今のテンションだと、基準値超えても混ぜるのではないかと邪推してます。
混ぜて馴らして、手元に届くのは500以下だからいいじゃん!
今の対応を見てる限りそういう話になりそうで怖いです。
だって、いわき北部はおそらく9割くらいの農家が作付してないのに
農協も市も、作付しなかったお前らが悪いんだろ感マジパネェっすもん
補償はしねえし自己責任だボケと言われてしまうほど非常識な決断ですかね 自主的に作付しないっていうのは
農協も市もやるべき仕事が違うと思うんスけどねえ
農家ネットワークで聞く限りではいわき市30km圏内は9割以上作付してません
市に電話してみたら、その実態を未だに把握してないとのことでした
正常な判断能力を有してたら、普通はやるでしょそういうの
制限が解除された地域って日本中でココらへんだけなんだから
まあ、馬鹿だからしょうがないと
市長等、市政の意思決定する人達の頭が悪いとこんなにも苦労するのですね
いい勉強です。
それとは別に、現場の公務員の方々は本当に凄いです。
逃げずに残って市民のために踏ん張ってくれました。
震災から1カ月なんか24時間体制土日祝日ナンボのもんじゃ! でした
心から感謝します。
以上
少なくとも数年は実害、そしてその倍は風評被害
これに耐える経済的体力がウチには無いと判断しました
そんなこんなで廃業です。
去年まで、このブログを見てくれた方々
本当にありがとうございました。
それでは
最果ての街より
婿
- 米日記 |
この記事へのコメント
廃業、なんとも残念ですね。
個人的には、検査して基準値以下のものであれば福島産のものを積極的に食べたいです。
>市長等、市政の意思決定する人達の頭が悪いとこんなにも苦労するのですね
→そんな市長を選んでしまった市民の方は、本当に悔やまれますね。
気の毒と言うより他ありません
1歳と3歳と13歳の子がいる母です。
(´;ω;`)私の故郷は千葉県の港街ですが、いつも「復興」と「子供への食の安全」の板挟みな気持ちを抱きつつ、「放射線から子供を守る活動」をしてきました。
このような発信をして下さる勇気に頭が下がる思いと、廃業を選ぶしかない、お辛い立場への心からのお見舞いを申し上げます・・・幸せな未来がお婿様はじめ、いわきの皆様に訪れますようにどうかどうか願っております。
ロサンゼルスから支援活動をしています。
原発事故が起こった時に、もうしばらく農業が出来なくなる地域も出てくると思い、カリフォルニアの日系農家の人たちと話して、長期の支援を考えています。今、放射能の広がりを考えると、食糧難になることは避けられないような気がしています。
戦後、日本に食糧が無い時、南北アメリカに移民した日系人たちは、大量の物資を日本に送り、日本を助けました。あまり知られていませんが、それが元になって、山形県から学校給食というのが始まりました。
今回の震災は、もう一度、あの時のような支援を海外からしなければならない時だと感じています。ただ、東北の方々は、何が欲しいかということをなかなか口にされないということ、また故郷を離れるという決断をされないということで、どういうふうにコミュニーションを取って行けばいいのかを模索しているところです。
アメリカには、農業で成功した日系の農家が沢山あります。何か繋がりをこの機会に作れればと思っています。よい案、支援の希望などがありましたら、どうかご連絡下さい。よろしくお願いします。
なんともやりきれないですね。
でも絶望はしないでください。
駄目な人達もいますけどすごいこと考えてる人もいます。
農家の方の生の声を聞く機会がないので、大変参考になりました。ありがとうございました。
ところで、線量測定にかかった費用、全部東電に請求してください。区長さんか代表の方から、内容証明で、東電社長宛に。
あなたのおかげでどれほどの子供達が救われたことか…。悩まれたでしょうしどれほどの損害かは私にははかり知れません。しかし国と戦ったあなたは英雄です。簡単には言えませんが、また、安全な土地で続けていただきたく願います。心よりありがとうございました。
廃業はとても残念です。胸が痛みます……。
が、正直、ブログを読んで9割の農家が作付けを中止していることにホッとしてしまいました……すみません。
農家の皆さんにはまったく罪はありませんが、やはり汚染された地の食物を流通させることは罪だと思います。
だからあなたの決断は、まさしく英断だと思います。
もしも違う場所で農業を始めることがあれば、ぜひお知らせください。
私も福島県出身の人間です、「勇気」そして「正義」がある行動にはすすんで支援したいです。
本当に本当に悩まれたでしょう。またどこか安全な土地で農業に携わって頂きたいです。
勇気あるお話をありがとうございました。私の実家は郡山ですが、郡山市も何もしてくれません。ママ友達の苦しさを考えると本当に辛いです。政府・県の対応の遅さ、無知さが今回の震災で表立ってしまった今、私達国民1人1人がしっかりと意識を持たなければならないと感じました。婿様、またいつか笑える日が来ることを心から願っています。
感動しました。わたくしも原発事故を機会に転職をします。お互い頑張りましょう!
原発被災地の一次生産者のみなさんの心痛を思うと、いや、当事者以外に分かるわけのない苦しさだと思いますが、本当に同情します。
現在の行政は「加害者に加われ、さもなくば一切面倒はみない」というものであって、これを正面から指摘し、批判する声を生産者の方からあげていただくことは、ほんとうにほんとうに大事なことです。
重要なことは、このまま泣き寝入りで終わらせるのではなく、生産者の皆さんから強く強く批判の声を上げていただくことだと思います。こんなことを平気で行った行政の責任をなんとしてもとらせ、一刻も早くこのような状況をなくさなければいけません。生産者同士で力を合わせて声を上げていただければ、我々消費者や親たちも賛同してもっともっと大きな声にしていくことができると思います。ネットも活用しながら、なんとか大きなうねりを作れたらと思います。
そうは言っても、今の生活だけで本当に苦しいでしょうし、農協の中でも様々な対立を生むかもしれません。なんでもできるわけじゃないということも理解してはいますが…できれば…!
生産者の皆さん・消費者の我々を甘く見て、やりたい放題やっている行政になんとしても鉄槌を!
被災地の方は一刻も早く避難するのが無難ですね。
様々なお役立ち情報を集めましたので
参考に良ければどうぞ。(*’-')
原発を取り巻く状況http://ameblo.jp/aestikiu/entry-10879931977.html
しみにお待ち下さいp(^_^)q
きっこさんのツイッターから来ました。
書いてくれてありがとう。
情報の隠蔽がひどい中で、ホントのことを知りたい人は、たくさんいます。
大変な状況で、当然、気は進まないと思う。
けど、あなたの心情吐露は、うんうん、うんうん、と、読み応えがすごくあって。
それが単なる個人的な愚痴や怒りであっていいと思うんです。それを具体的に聴かせて欲しい人は(ボクを含めて)山ほど、今、いると思います。
これからも、時々覗いてみます。
もう一度。
書いてくれて、ありがとう。
ツイッターからです。
福島市在住です。
福島は何かにつけ「地産地消」をアピールしています。(ように見えます)
「何考えとんじゃ!」です。
これじゃやっていることは政府や東電と同じです。
・・・ナサケナイ・・・。
被災した県だからこそ、
苦しんでいる県だからこそ、
他の所とは違った意志をみせてほしい。
「放射能はまきちらかさない」という気概をもって行動して欲しいなと思います。
婿さんのようなプライドを福島の農産業に関わる人たちに持って欲しい。
ていうか、いろんな意味で
福島を復興させるにはそれしかないと僕は思います。
勇気のある言葉、ありがとうございます。
ともに苦しみを分かち合いましょう。
またきますね。
プロとして、重い決断だったと思います。
まずはお疲れ様でした。
中部大学の武田教授のおっしゃっていることを元にすると、
夏までに表土2cmほどを取り去れば、すぐにでも放射性物質を大幅に除去できるとのことです。
早いうちにやればやるほどその深くまで取らずに済むわけですから、
トラクターなどを使用して、除去してしまってはいかがでしょうか。
それが終わってから業者にチェックをしてもらい、
安心して農業を再開する。
順調に行けば来年にも再開できるはずです。
一軒では無理でしょうから、周辺の農家とも団結して。
頑張ってほしいです。