イルカに蓄積した水銀含有生体鉱物の直接検出
問い合わせ番号
SOL-0000001568
ビームライン
BL37XU(分光分析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 生物・医学 |
---|---|
B. 試料詳細 | 生体組織、細胞系等 |
C. 手法 | X線回折, 蛍光X線 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析, 微量元素分析 |
E. 付加的測定条件 | マイクロビーム(1-10μm) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 化学状態, 構造解析, 元素分析(微量) |
産業利用キーワード
階層1 | 環境 |
---|---|
階層2 | 食品, 環境物質 |
階層3 | 生体 |
階層4 | 元素分布 |
階層5 |
分類
利用事例本文
本事例では水銀を蓄積するイルカの臓器切片についてマイクロビームによる蛍光X線分析・粉末X線回折を行い、臓器切片中に,HgSeという生体鉱物が存在することを解析しました。イルカなどの海棲哺乳動物は,有毒重金属元素を体内に高濃度に蓄積していることが知られていいます.そこで放射光マイクロビームを用いて,イルカに蓄積した水銀の状態について調べました.その結果,蛍光X線分析により,臓器切片での水銀とセレンの2次元分布を明らかにでき,また,マイクロビームX線回折によりHg濃集物がHgSeという鉱物として存在することを直接示すことができました。
図 イルカ肝臓切片の蛍光X線イメージング:水銀(左上),セレン(左下)と水銀濃集部での回折パターン(右)
画像ファイルの出典
所内報
誌名
User Exp. Rep.
ページ
176
測定手法
この事例は,フレネルゾーンプレートによるマイクロビームにより実現されました.エネルギー15keVで1.5ミクロンのビームサイズが用いられています.ミクロンオーダーでの2次元の元素分布とそれを基にした回折データを収集した非常によい例です.
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
6 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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マイクロビーム調整装置 | マイクロビームの生成 |
参考文献
関連する手法
原子吸光法,粉末X線回折
アンケート
最近2年以内に導入した装置を使った事例
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
4~9シフト