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養殖ウナギ:卸価格が高騰…稚魚2年連続の不漁で

ウナギの卸価格が高騰し、大阪市内の百貨店に出店している老舗ウナギ屋も先月下旬に値上げに踏み切った=2011年6月15日、長谷川直亮撮影
ウナギの卸価格が高騰し、大阪市内の百貨店に出店している老舗ウナギ屋も先月下旬に値上げに踏み切った=2011年6月15日、長谷川直亮撮影

 養殖ウナギの卸価格が高騰している。原因は稚魚・シラスウナギの2年連続の不漁。例年なら「土用の丑(うし)の日」(今年は7月21日と8月2日)をピークに値が下がるが、昨年は夏以降も横ばいを続け、春になってジリジリと上昇。たまらず値上げに踏み切る小売店も出ており、今夏のウナギは「高根の花」になりそうだ。

 シラスウナギ漁は冬から春にかけて行われる。水産庁栽培養殖課によると、昨季の漁獲高は9.2トンと「記録的な不漁」(同課)で、今季も昨季並みにとどまった。養殖ものは早ければ数カ月で出荷されるため、数が全国的に減っており、東京都中央卸売市場の4月の平均価格は1キロ2887円と過去10年間で最高を記録した。

 同じ事情を抱える中国、台湾産などの海外ものも値上がり中。大阪市中央卸売市場内の「うおいち」商品部、小山田壮さんは「来季が豊漁にならない限り値上がりは続く。消費者のウナギ離れが心配だ」と懸念している。

 この影響で、大阪市旭区に本店を構える老舗ウナギ店「魚伊」は5月下旬、各メニューを数百円単位で値上げした。卸部長の渋谷光男さんは「4、5月は毎週のように卸値が上がった。こんなことは初めて。値上げは苦渋の決断だった」と語った。【澤木政輝】

毎日新聞 2011年6月17日 13時41分(最終更新 6月17日 13時44分)

 
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