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放射性物質:セシウム濃度で遊泳判定 環境省

 環境省は14日、全国の海や湖沼、河川などにある水浴場が遊泳に適しているかどうかを判定するため、大腸菌数などを基にした従来の指標とは別に、放射性セシウムの濃度の指針値を新たに導入することを決めた。各地で本格的な遊泳シーズンを迎えるのに先立って月内に具体的な数値を決め、自治体側に通知する。

 福島第1原発事故を受け、水浴場を管理する自治体から国の指針を示すよう求める声が上がっていたことに対応した。半減期約30年のセシウム137と約2年のセシウム134が指針値の対象で、約8日の放射性ヨウ素131は除外する。

 調査は水質のほか、砂浜や湖岸などでの大気中の濃度測定も併せて行う方針で、指針には調査方法なども盛り込む。同省は自治体に月1回程度の調査を求めるが、法的拘束力はなく、自治体が実施するかは任意。指針の適用は当面今夏限りとし、来年以降は調査結果などを踏まえ検討する。

 放射性セシウムについては、飲料水で1リットル当たり200ベクレルという国の暫定基準値が設定されており、環境省は原子力安全委員会に意見を求め、今後、具体的な数値を調整する。

 海水浴場などは全国に約850カ所。千葉、東京、神奈川、静岡の4都県が5、6月に、九十九里浜や片瀬海岸など計34地点で放射性物質を独自に測定した調査では、いずれも検出されなかった。

毎日新聞 2011年6月15日 10時19分

 

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