オスプレイ配備:米、環境審査の方針

ミラマー航空基地上空を飛行する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=14日、米カリフォルニア州サンディエゴ

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2011年6月16日 09時36分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(20時間17分前に更新)

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備に向け、米海兵隊が配備と運用による環境への影響を調査する「環境審査」を行う方針であることが15日、分かった。装備の配備に伴う環境審査は異例で、オスプレイ配備に対する県内の反発を和らげる狙いがあるとみられる。在沖米海兵隊が沖縄タイムスの取材に明らかにした。(前田高敬)

 環境審査は、環境影響評価(EIS)手続きを定めた米国家環境政策法(NEPA)が適用されない米国外で環境負荷を調査・評価する簡便な手続きの一つ。1979年1月の米大統領令で、米政府の「大規模な」活動時に行うとしている。

 大統領令を受け具体的な手続きを定めた同年3月の国防長官命令では「船舶、航空機や他の可動する軍装備の配備」はこの「大規模」には当たらないとしている。

 異例の環境審査は、オスプレイ配備に伴ってEISを実施した米国内とそうでない沖縄との「二重基準」批判に配慮したとみられる。

 在沖海兵隊は環境審査を行う地域や項目を明らかにしていないが、長官命令などによれば、国防総省内の資料や現地の文献などを基に調査し、影響が生じそうな項目について米側や当事国の対策を含めて示すことになっている。

 在沖海兵隊は「MV22を沖縄に置き、海兵隊の訓練作戦を支援するため同機種を運用することにより生じる環境への影響」を調べるといい、オスプレイが配備される普天間飛行場以外の、北部地域など演習場所在地でも実施されるもようだ。

 調査の開始時期は不明だが、海兵隊はオスプレイの配備開始予定(2012年10月)前の同年3月までに調査を完了するという。

 オスプレイ配備をめぐっては、米政府が米西海岸の基地に配備する際にEISを実施し、現在はハワイ配備のためのEISを実施中。だが沖縄配備にあたっては日米ともEISを行わないとしていて、安全性に加え騒音など環境面からも配備に反対する声が強まっていた。

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