原発をテーマにしたドキュメンタリー映画が埼玉県内で相次いで上映される。東京電力福島第1原発の事故で核施設への関心が高まる中、注目を集めそうだ。【藤沢美由紀、鷲頭彰子】
深谷市深谷町の深谷シネマでは、「ミツバチの羽音と地球の回転」(鎌仲ひとみ監督、10年)が19日から25日まで上映される。山口県上関町で中国電力が進める原発建設計画に長年反対してきた同町祝島(いわい、しま)の住民や、脱原発を図るスウェーデンのエネルギー政策などを描いている。
最終日の25日は午後4時から、県立小鹿野高校の関根一昭教諭が原発問題や代替エネルギーの可能性について講演する。講演を行う関根教諭は地学が専門で、「これだけは知っておきたい 高校生のための原発の基礎知識」の著者。「これからの脱原発の方向性をみんなで考え、新しい道を探りたい」と話している。
火曜定休。入場料は一般1000円▽高校生800円▽小中学生700円。講演は無料で、講演だけの参加もできる。問い合わせは深谷シネマ(048・551・4592)。
また、川越市元町1の「川越スカラ座」では、同じく原発をテーマにしたドキュメンタリー映画「100000年後の安全」(マイケル・マドセン監督、09年)を7月2日から15日まで上映する。
フィンランドで500メートルの地下に建設が進む使用済み核燃料の最終処分場をテーマに、無害になるまでに10万年かかると言われる廃棄物について、科学者や政治家らをインタビューしたドキュメンタリー。東京都の映画配給会社「アップリンク」が秋に予定していた渋谷区のシアターでの上演を4月に緊急上映したところ、ツイッターなどで評判となった作品で、未来の子孫の安全性について問いかけている。
7月10日午後4時には哲学者で「怯えの時代」の著者・内山節氏のトークイベントも企画されている。
火曜定休。入場料金は一般1500円、大学、高校生1000円。問い合わせは川越スカラ座(049・223・0733)。
毎日新聞 2011年6月17日 0時37分