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調査の概要

[2011年6月7日]

 私たちの生活空間には、様々な放射性物質があります。放射性物質には遠く宇宙からやって来る宇宙線、そして、宇宙線が地球に到来して最初に入り込んだ大気圏内でつくりだしたもので空気中に浮遊しているもの、さらにはもともと地球誕生の時に地球上に取込まれたりつくりだされ、その後地殻構成物となり土壌中にあるのものなどがあります。これらは自然放射性核種とよばれ、代表的なものはU(ウラン)、Tr(トリウム)、Ra(ラジウム)、Rn(ラドン)、そしてK-40(カリウム-40)などです。

 この自然放射性核種とは別に、1945年世界初の大気圏内核実験以来、私たち人類が地球上に誕生させてしまった人工放射性核種があります。人工放射性核種の代表的なものはCs-137(セシウム-137)やSr-90(ストロンチウム-90)で、その後1980年まで行われた大気圏内核実験は、地球上を放射能で汚染しましたが、現在は地下核実験となっているため、その影響はほとんど見られません。

 愛知県では、1960年より科学技術庁(現文部科学省)委託事業として、この環境放射能調査を行っています。現在環境調査センターで行っている調査内容の概要をご紹介します。

1 全ベータ放射能(定時降水)調査

雨水採取器

雨水採取器


 屋上の雨水採取器により9時から翌日の9時までの雨水を降雨毎に採取し、そのうちの100mlを直径1インチのステンレス皿に濃縮後、全ベータ線量を放射能測定器で計測します。

2 核種分析調査

ハイボリュームエアサンプラー

ハイボリュームエアサンプラー


 大気浮遊じんを採取するためのハイボリュームエアサンプラーです。9時から翌日の9時までの浮遊じん量を基本単位に月に10,000m3採取し、3ヶ月分を1試料として年間4回測定しています。原子炉等事故時の緊急時測定の場合には、まず、大気によって運ばれてくる空気中の浮遊じんと定時降水中の放射能汚染を測定します。

大型水盤

大型水盤


 1ヶ月分の降下物(雨水とちり)を集めるために、屋上に設置されている大型水盤です。毎月1日に前月分を採取後、1cm程蒸留水を張っておきます。現在の大型水盤の面積は4960cm2で、雨の多い月ですと採取量が130リットルを超えることがあります。採取した全量を濃縮して、スチロール製のU8容器に蒸発乾固させて、ガンマー線測定器にかけます。年間12回の測定です。

名古屋市上水道取入口

名古屋市上水道取入口


 犬山市にある木曽川の名古屋市上水道取入口です。県民の皆様が毎日飲んでいる水道源水、蛇口水をそれぞれ年1回測定しています。その他に、表面から0‐5cmと5‐20cmの深さの土壌、伊勢湾の表面海水と海底土、野菜の大根とほうれん草、海産生物のきす、あさり、わかめをそれぞれ年1回測定しています。

ゲルマニウム半導体核種分析装置

ゲルマニウム半導体核種分析装置


 ガンマー線放出核種について、核種毎の測定値が得られるため、緊急時の被ばく線量の評価がより正確に把握出来るようになった分析装置です。降下物、土壌、海水など様々な媒体で人工放射性核種の測定をしています。

3 空間放射線量率調査

モニタリングポスト

モニタリングポスト


 屋上には空間ガンマー線量を検出するためのモニタリングポストが設置されており、通年連続測定により、私たちが受けている空間ガンマー線量を測定しています。
 なお、地表からモニタリングポストまでの高さは34mとなっています。

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お問い合わせ

愛知県 環境部 環境活動推進課
環境リスク対策グループ
電話:052-954-6212
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp