2011年6月12日放送
なぜ我が家だけが?耐震住宅の大被害
今回の噂の現場は、東日本大震災で被害を受けた住宅の保証問題をとり上げました。
大手ハウスメーカーで建てた築1年4か月というAさん宅は、震災で住めないほどの被害を受けたが「周辺の住宅の被害と差があり保証の対象になるのではないか」というのだ。メーカーの保証書では保証の免責事項の中に「地震で周辺の同じような構造の建物と同じ程度の被害」とあります。つまり周辺より被害が大きいAさん宅は保証されるのではないかというのだ。
これに対してメーカーはAさん宅の被害が大きいことを認めた上で、原因は地震の大きさ、Aさん宅の立地条件としている。また、周辺との被害レベルの違いはあるものの「地震による一部損壊ということでは同じくくり」ともしている。
耐震性能を売りにした住宅で、謳い文句だった「震度7以上」はなかったにもかかわらず(Aさん宅周辺は震度6弱)地震の大きさを保証の対象にならない理由とするのは、住宅の購入者にとっては説得力がないように思える。
また、立地条件を理由にするなら、建てる前にメーカー側で地盤調査をしているのだから、カタログ通りの性能が担保されるような建て方を提案すべきだったのではないか。
メーカーの、「実験のデータ上は震度7以上を想定しているので、Aさん宅はそれ以上に揺れた」という論理が逆転したような説明ではAさんでなくても納得できないように思う。
(ディレクター 大江裕之)
>>バックナンバー