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校庭表土入れ替え 放射線、大幅に低下 福島
![](/contents/060/608/877.mime4) | 校庭の表土は水や放射線を遮る特殊なシートに包まれ、埋設された(福島大提供) |
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福島大は15日、福島市の付属中校庭と幼稚園庭で5月22日〜6月7日に表土の入れ替えを行い、福島第1原発事故で上昇した放射線量を大幅に低減できたと発表した。 同大によると、地面から高さ1メートルで毎時2.68マイクロシーベルトと幼稚園内で最も高かった園庭中央部は工事後0.51マイクロシーベルトに、3.01マイクロシーベルトだった校庭中央部は0.24マイクロシーベルトにそれぞれ低下した。 工事は表土を地表から約5センチ削り、敷地内に掘った縦25メートル、横40メートル、深さ1メートル50センチの溝に埋設した。表土は放射性セシウムを吸着する鉱物を挟んだ特殊シートで包んで埋設し、排水管も敷設。染み込んだ雨で放射性物質が流出するのを防ぐ対策も施した。 校庭周辺の植栽は木の幹の付け根付近で高い値が測定され、水で洗浄した後に表土を剥ぎ取り、客土で覆った。放射線量は3分の1〜5分の1に減少したという。 事業費3500万円は大学がいったん支出。国に負担を求める。 両施設は校庭の放射線量が国の暫定基準値を一時上回り、屋外活動を中止。中学校は保護者に説明した上で、クラブ活動の校庭使用を再開した。 同大共生システム理工学類の難波謙二教授(微生物学)は「子どもたちにより安全で、効果的な放射線対策を考えていきたい」としている。
2011年06月16日木曜日
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