ここから本文エリア 水俣55年の経験 福島に生かそう2011年06月16日
企画展「福島原発事故風評被害 水俣の経験を伝えたい」が15日、水俣市立水俣病資料館で始まった。福島第一原発事故の対応に水俣病問題の教訓を生かそうと、水俣病認定患者らの言葉で警鐘を鳴らす。年末まで内容を拡充しながら続ける。入場無料。 水俣病の被害者らは地域の内と外で偏見や差別にさらされ、そのわだかまりを解きほぐす取り組みは水俣病の公式確認から55年を経た今も続く。企画展は、原発事故の甚大さから、福島に対する風評被害なども長引くおそれがあるとして被災者への励ましのメッセージを発信するのが狙いだ。 パネル展示では、福島の事故と水俣病が「一部地域の負担やリスクを黙認し、国民の大部分が(電力や製品の形で)恩恵をこうむっている」点で似ているとし、補償につながる健康被害調査が十分になされない懸念も表明している。 資料館で語り部をしている患者や家族ら10人がコメントを寄せている。上野エイ子さんは「今の福島の状態は昔の水俣を大きくしたように感じる。問題は、人を思いやる心だと思う」。吉永利夫さんは風評への対処として、「一人ひとりが知り合い、信頼の中から信用が生まれ、誤解が解けていく。あきらめないで、しつこく情報発信を続けよう」と呼びかける。緒方正実さんは「事実を正確に伝えること。いくらごまかそうと思ってもごまかせない」と国に突きつける。(田中久稔)
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