岩手のニュース

ネット活用 被災地支える 物資即時発信 岩手・大槌

避難所の夕食に刺し身を提供しようと、カツオをさばく高橋さん=岩手県大槌町の「かみよ稲穂館」

 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町を支援しようと、インターネット通販の鮮魚店を営む高橋辰昇(たつのり)さん(47)=岩手県釜石市=が、ホームページ(HP)を活用した活動に取り組んでいる。被災地の情報を即時に発信、全国から寄せられた物資や募金を生かし、現地の要望に応えている。

 今月、同町の避難所に刺し身を提供する活動を始めた。「普段は新鮮な魚を食べていた人たちなのに、避難所の食事に魚が出ることは少ない」と高橋さん。鮮魚店の腕も生かせると、全国から寄せられた募金で魚を仕入れ、届けている。
 9日夕は約90人が避難する集会場「かみよ稲穂館」に生カツオ18匹を持ち込み、仲間と手際よくさばいて刺し身をつくった。この避難所で刺し身が提供されるのは震災後初めてだった。「魚が一番食べたかった。元気が出ます」と、主婦(73)は笑顔で箸を伸ばした。
 高橋さんの自宅兼店舗は被災を免れたが、釜石魚市場の水揚げがストップし、休業状態に。震災2日後に入った大槌町で「町がなくなっている。これはひどい」と感じ、得意のインターネットを生かした支援を始めた。
 現地で聞き取りをした不足物資の提供をHPで呼び掛け、全国から自宅に届けられた物資をトラックで運んでいる。枕や洗濯ネットなどきめ細かな日用品に対応。「かゆい所に手が届く」と避難所の人は感謝する。
 物資購入資金の募金も始めており、届いた物資が約250件、募金は約35万円に上る。ツイッターなどを介して輪は全国に広まり、小さな善意の受け皿になっている。
 高橋さんは「今後は商売を再開して立ち上がろうとする人の支援も始めたい」と語る。釜石魚市場が再開し仕事を始める8月ごろまで、活動する予定。HPは「高橋鮮魚店」で検索できる。(野仲敏勝)


2011年06月16日木曜日


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