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福島県復興ビジョン 県民「脱原発は当然」

 福島県の復興計画の前提となる復興ビジョンに「脱原発」の文言が盛り込まれる方向性が15日固まった。県民や政界関係者はおおむね肯定的に受け止めた。一方、被災者の生活再建優先を求める声もあった。

 559人が避難する福島市のあづま総合体育館。浪江町のタイル業浦喜一さん(70)は「子どもや孫が安らかに暮らすために『脱原発』は不可欠。太陽光などの自然エネルギーに切り替え、県も自治体も復興に向けて早く立ち直ってほしい」と話した。
 南相馬市小高区の元会社員藤田久美さん(38)は「福島に原発はもう要らない。重大な事故を起こした以上、『脱原発』は当然で、むしろ遅いぐらい」と受け止めた。
 二本松市に機能を移転している浪江町役場を訪れた畜産農家山田栄さん(58)は「俺たちが自分の土地にいつ戻れるのか、避難先でどう生活していくのか、道筋をはっきり付けるのが先。脱原発の議論より、やらなければならないことがたくさんある」と語った。
 自民党県連の斎藤健治幹事長は「今の状況では当然。首都圏のために原発が必要というのなら、他の県でやればいい。われわれは安全神話を信じて原発を推進したが、反省している」と述べた。
 民主党県連の宗方保総務会長は「事故で暮らしや産業などあらゆるところに亀裂が入った。県民の健康と安心を守るためにはやむを得ない。もう福島で原発は動かせないだろう」と展望した。
 一方、民主党などでつくる県議会第2会派「県民連合」会長の渡部譲民主党県連特別常任幹事は「あれだけの事故が起きたので脱原発の方針は理解できるが、即廃炉ではなく、なぜ日本や福島が原発を必要としたのか、慎重に検証する必要がある」と指摘した。
 福島第2原発が立地する富岡町の遠藤勝也町長は「原発依存型から脱却し、双葉地方に新エネルギーの研究・開発拠点を集約した新たなまちづくりを進めなければならない」とコメントした。


2011年06月16日木曜日


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