長崎市の古紙回収業者でつくる市古紙リサイクル回収機構の工場(同市小江町)に県内初の機密文書処理施設が完成し、15日から稼働を始めた。企業や官公庁から出た古紙を処理し中国に輸出する。環境に配慮して焼却処分を減らし、リサイクル率の向上を目指す。
地上2階、地下1階、計423平方メートルの処理棟を新築。1日4・8トンを処理できる大型のシュレッダーを導入した。
情報漏えい防止のため万全のセキュリティーを施しているのが特徴。顧客から回収する箱にバーコードを貼って管理を容易にし、処理が終了すれば顧客にメールで通知する。出入り口にはカギを厳重にし外部からの侵入を防ぎ、6台の防犯カメラと監視員が書類の持ち出しを厳しく見張る。
同機構がオフィスの古紙回収を始めたのは、循環型社会を目指す長崎市内の企業140社でつくる「ながさきオフィスエコクラブ」の指定事業者となった2007年。官公庁や企業から出る膨大な機密文書はこれまで焼却処分が主流だったため、資源活用の方法を一緒に検討してきた。
処理費用は1キロあたり22-25円で、焼却処分の6円より割高だが、同クラブは「二酸化炭素削減と資源の有効活用という趣旨に賛同してくれる企業は増えるだろう」としている。県と長崎市が契約する予定で、同機構は年間200-300トンの処理を見込んでいる。
=2011/06/16付 西日本新聞朝刊=