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[政治]ニュース
【政論】尊敬する李登輝元総統から一体何を学んだのか…
2011.6.16 01:05
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残念ながら、首相の政治手法はこれと正反対だといえる。物事を進めるための手順や手続き、調整を一切無視するため、いつも「言いっ放し」に終わり、何も実現できない。
首相は14年11月に訪台し、李氏と会談した時の印象を自らのホームページにこう記している。
「日本の旧制高校の教育を受けた人の雰囲気を強く感じた。(中略)日本人が失いかけている自信を取り戻す良い話を多く聞かせてもらった」
李氏は古事記や源氏物語、ゲーテ、ドストエフスキー、マルクス、カント、論語、聖書-と古今東西の古典をひもとき、哲人政治家と称される。その謦咳(けいがい)に接した首相の言動から、李氏の素養から学んだ形跡はうかがえない。
李氏は月刊「WiLL」(2月号)の対談で日本政治の現状をこう憂えた。
「『権力』というのは権力者のものではなく、何か決定を下すときに人民から借りて、そのあと返すものです。そのことがわかっているかどうか」
首相は、この発言が自分に向けられていると気付いているのか。たぶん読んでもいないのではないか。
「過失をおかしながら忠臣のことばを聴きいれず、一人で自分の思ったとおりにしていると、名声を失って人の笑いものになっていく始まりである」
これは韓非子の言葉だ。早期退陣を促す周囲の声に耳を貸さず、延命に汲々(きゅうきゅう)としている首相そのものではないか。李氏のように古典に親しんでいれば、鏡に映る無能かつ危険な暴君の姿にわれに返るはずだが、望むべくもない。それならば、せめて李氏の爪の垢(あか)を煎じて飲み、潔く身を引くべきではないか。(阿比留瑠比)
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